限界突破その3
クジ玉とは、ランダムにアイテムが出るアイテムだ。
はずれもあるが、まだ当てたやつはいないらしい。
当たりがあたれば、一気に設けるし、需要の高いアイテムが当たる確立も高い。
だがしかし、序盤で買うものではないらしい。
「これ、あとでみんなであけようよ!」
梨が嬉しそうに、みんなに声かける。
「おうっ準備終わったらな。いくらした?」
瞬が嬉しそうに聞く。
いやいやいや!まって!その前に…
「何故買ったし!?」
「そこに玉があったからだよ!」
梨が良くわからないことを言う。
「そんな、大きな声でわけのわからないこと言われても…まぁいいや。瞬も聞いてたがいくらだ?」
もう、あきれてめんどくさい。
適当に流してさっさと進めよう。
「瞬?あぁ、閃光の一瞬Ⅲを訳して瞬ね。ぼくもそう呼ぼ~。えっとね…1000Gだよ。あと買ったのは、一発逆転を狙って!」
一発逆転?あぁ、いいアイテムでれば一気にトッププレイヤーになれるもんな。
それより…たかっ!最初にもらえるGが5000Gだったはず。
ソレを考えるとかなり高い。
「おまえばかっ!かなりのばかっ!」
落ち着いて話している瞬に対して、思わず声を張り上げる俺。
こいつはかなりの馬鹿だ…
「まぁ、いいじゃん。それは、準備っていうか買うもの買ってからにするとして、スキル構成どうした?」
瞬が俺がおかしいぐらいの流し方で次の話にする。
ほうっておいていい。内容ではないんだが…
「スキル構成って教えていいの?PKの心配は?」
PKって確か…プレイヤーキラー??
プレイヤーを殺してアイテムを奪ったり、または楽しんだりする行為…のことだったはず。
まったくもって理解できない。
「ソレは大丈夫。プレイヤー同士は決闘どうしでしか戦えないだろ。っていうか、最初の説明で言ってたろ。」
「スキップした。」
こういう奴、たまにいるよな。梨は地味に適当だ。
まぁ、なんとかできるんだろうけど。
「とりあいず、フレンド登録でいつでも連絡できるようにしておこうか。」
フレンド登録を早速すまし、さっきのスキルの話になる。
「梨、お前は何にしたんだ?」
とりあいず、一番気になった梨に聞く。
性格からは…想像もできない。
逆に瞬はたやすく想像できるが。
「えっと僕は…〔光の属性(超微弱〕〔光魔法初期段階〕〔回復魔法一歩手前〕〔魔力強化(超微弱〕〔走る〕かなぁ?」
う~ん予想外だ。魔法か…言われてみれば梨にあうかも。
弓とかかなともおもったが。
ってちょっと待てよ…
「走るってなんだ?」
ほかのスキルはまだ納得できるが、これは意味がわからない。
「ん?俺も取ってるぞ。これがないと移動に時間がかかるからな。」
「ちょっと待て。どうしてだ?」
やばい気がしてきた。
「このゲームは走ることができないだろ?そこで必要なのがこのスキル。これは基本全員取る。これがないとモンスターからも逃げれないし、移動にかなりの時間がかかる。これは使う頻度が高いのでレベルも上がりやすい。派生のスキルがなかなか強いしな。」
うぉぉぉぉのぅ!!なんてこった。
てっきり、走れるものかと…
「お前…取ってないのか?ちなみに俺のスキルは、〔爆発物生産(見習い)〕〔爆発魔法初期段階〕〔爆発物を扱える人〕〔爆発物をたべる人〕〔走る〕主に、爆弾スキルだな。どうしようか迷ったがこれがかっこいいかなって。ボマー取ろうかとおもったけど、爆発関連やってたら自然に付くって情報聞いてさ。あきらめた。」
説明してくれた瞬が恐る恐るまさかという風に聞く。
この様子からするとかなり必須のようだ。
瞬のスキルの突っ込みも忘れている。というか、耳に入ってこない。
「お、おれのスキルは…〔鎌をちょっと触ったことある人〕〔料理できる人〕〔ちょっと筋トレしていた人〕〔放る〕〔ちょっと体が浮くスキル〕だ…」
これでも、いいのを選んだつもりだ。
なんか、周りから浮かない(体は浮くが)スキルを…と選択した。
主に鎌は適当だが、それ以外だ。浮くも面白そう!って取る奴はいるかな…と。
今でもそうおもっている。
しかし、瞬もクジ玉を買ってきた梨でさえも驚愕の表情をしている。
「バカ野郎だな…事前情報みていたじゃないか…」
「神無月君、それはないよ。」
なっ!?君付け名字!?
ここではカミナシらしい。っと梨に教えている。
まったく。二人のあきれ具合は何なんだろう…
「ん?なんだよ?その顔は。あっ!もしかして、わかってない?はぁ…
説明してやろう。君のスキルを否定してあげる。まず、鎌。これは超不遇な武器だな。重くて持つのがつらい、自由に操れない、鎌の内側の部分が刃なので当てづらい、だな。まぁほかにも理由があるがまず重さが問題。普段はしまわれてるからいいけど、戦闘に出た時、戦えないじゃないか。じゃ次、料理ね。これは取る必要がまずない。味は変化したりするが効果が付くのは後半。初期にとるものじゃない。しかも器具が必要だから、その器具はセットで10000G。初期は装備を整えなくちゃだからきついよ。放るは、放る必要がないじゃないか。攻撃スキルを取ったほうがまだまし。攻撃力もかなり違うしね。放るはかなり低いよ?筋力UPスキルが一番ましかな…浮く特殊スキルについてはなにをしたいのかがわからない。これぐらいかな。俺から言いたいことはひとつ!馬鹿ですか…?」
「…右におなじです。」
ながながと説明する瞬に対して、同意する梨。
そんな…
「ち…長文…乙…で…す。ううぅ…」
「ごみスキル乙です。放る、料理、鎌はクズスキルで浮くはさらにしたのごみスキルだな。」
「うわぁぁぁぁん!!!」
もう、立ち直れないかも…
正直使えるとおもっていた。
放るで相手を遠距離から攻撃し、鎌で近距離攻撃。
浮くは…人類の夢だ。筋力は良かったらしい。そのまま効果が目的だ。
料理でげきからのを相手の口に投げて、苦しんでいる間に鎌で攻撃!!
という感じでいきたかった。
本当に最悪。俺のゲーム生活終わり確定…?
「まぁ、がんばろうよ。僕らは見捨てないよ?それに、浮くだって移動スキルじゃないか!特殊だけど。使ってみたら意外と強くなるかもよ?」
梨がありがたい言葉をかけてくれる。
本当に嬉しい!
「な「俺はいざとなったら見捨てる」し~~!!って!!酷いよ瞬!!」
こんな漫才…いや、結構マジなスキルの話も終わってモンスター狩りにいく話になる。
スキルはこれで頑張る。意外と需要があるかもしれないし。
「とりあいず、最初の草原に行くか。PT申請しとくぞ。」
PTに誘われました。承諾しますか?
と出てきたのでYESにしておく。
「草原か…セルだっけ?チュートリアルの?」
俺は、不確かな記憶を瞬に聞いて確かめる。
「あぁ、セル、アホドリ、ゴブリン、ビックピッグでボスがゴブリンゴブリンだ。」
「ちがいがわからん。」
「まぁ、いってみればわかるさ。」
こうして、俺らは回復アイテムも持たず、何の準備もしないまま町のゲートを抜け草原へ向かった。
準備してから開けるとか言ってたのに…