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序章
ある晴れた日に、真夏の暑い日差しを肌で感じながら、約束の場所へ急ぎ足で向かう。
生ぬるい風や日差しで焼けたアスファルトの匂い、汗臭い人ごみの中を私は、彼と約束した場所へ人ごみを分けながら向かう。
信号が青になり、一歩前へ踏み出したその時――――
ガシャ――――ン!!
大きな衝突音。身体に響く衝撃。
私は、青く透き通る雲一つない空に宙に浮かぶ体と共に空に手を差し伸ばす。
私は、ここで終わるのだろうか?
大切な彼を残して…
嫌だ…
今日こそ、彼にこの胸の内に秘めていた思いを告げる日なのに…
どうして…?
神様、あんまりじゃないですか…
私は、あの人が…彼が…好きなんです…
お願いです…