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湖畔のデートは北の国の味

お昼を食べ終わった私たちはさっき買ったお肉を持って、ジョナサン様の家に帰った。


「俺はちょっとこのお肉の下ごしらえするから、ゆっくりしてて」とカイさんがキッチンに行く。


するとちょうどジョナサン様が部屋から出て来た。


「ルルちゃん、いらっしゃい。カイルードとの買い物はどうだった?」とちょっとニヤついてる。


「た。。楽しかったですよ、色々教わりましたし」


「料理を教わらずに、ずっとカイルードに作って貰えばいいじゃないか。ルルちゃんもここに住むか?部屋は余ってるぞ」


「上司と一緒に住んだら、ずっと仕事している気がして嫌です」


「そうか、だったらカイルードは早く自分の家を見つけないとな。でも見つけるならこの近くにしてくれよ」と私に言う。


「そんな。。私に言われても。。。」


「あれ?お前らまだなの?カイルードなんか何年。。」


「おい、ジョナサン。お前は何を言っているんだ?」とちょうどキッチンから出て来たカイさんが、ジョナサン様を止める。


「じゃあ口止め料として、プリン作ってくれよ」とジョナサン様が顔を赤くしたカイさんに言う。


「えーーーープリン!!食べたい!!」


「ほら、ルルちゃんも食べたいって。決まりだな」ジョナサン様も嬉しそうだ、結構甘党なのかもしれない。


「私もお手伝いします!作り方知りたいです」と言うと、カイさんはニコッと笑って「じゃあ、すぐに作ろう」と言ってくれた。

私が卵を割っているうちに、カイさんは他の材料の用意をする。


「いつも考えてなかったんですが、この世界のミルクって。牛のミルクなんですかね?」


「。。。。違う。でも味は一緒だから、それ以上追求しない方がいいと思う」とカイさんが静かに言ったので、私もそれ以上聞かない事にした。


出来上がったプリンはすごく美味しかった。


満足そうにプリンを食べるジョナサン様が少し可愛い。


「そうだ、カイルード。お前は来週はどこに行くんだ?港の方なら魚を買って来て欲しいんだが」


「いや、今回は内陸なんだ。でもきのこが多いエリアだから、そっちは買ってこれるぞ。後、帰って来たらオリオン湖にルルと行くから、その時魚は手に入る」


「おい、カイルード。お前、初デートで釣りでもする気なのか?」呆れた顔でジョナサン様がカイルード様をスプーンでつっつく。


「な。。なんで、デートってジョナサン様が知っているんですか?」と私が聞くと。


「ルルちゃんは、こいつが。。。」


「おい、ジョナサン!プリン作ったろ!」


この2人は本当に仲がいいわね。


「私も釣りしたいので、美味しいお魚が釣れるなら、もっと楽しみです」と私が言うと。


「普通のデートなら、素敵なレストランとかが定番だろうが。。。まあ俺らにとっては、王宮の晩餐会でも食事が微妙だからな、毎回断るのが大変だよ。前回空きっ腹に酒だけ飲んで、悪酔いしたよ」とジョナサン様がしみじみ言う。役職に就くと大変ね。


この日も夕ご飯をご馳走になり、家に送ってもらった。そして味付けしたお肉やら、お弁当の材料を渡された。


「焼くだけで大丈夫だからね?これで俺がいない間頑張ってね」とカイさんは心配そうに言う。


「大丈夫ですよ。あの屋台の焼きそばもありますし。カイさんも気をつけて遠征に行って来てくださいね」


「ああ、危険な事はないが、お守り貰ってもいいか?」


お守り?なんかハンカチとかあげるのかな?ポケットになんか入ってたっけ?


「それはポケットには入ってないと思うよ」とカイさんが言うので顔を上げると、ぎゅっと抱きしめられた。


「デート楽しみだね、すぐ帰るからね」と言って頬にキスされた。


私は家に入ってもぼーとしていた。

今度はおでこじゃなくて、頬だ。これは期待していいんだよね。


それから次のカイさんが帰ってくるまでの1週間が長く感じた。


ジョナサン様は、私がため息をつく度にニヤついてる。

書類を届けてに行ったら。

「寂しいからって、バレバレだよ。明日帰ってくるんだろ、夕ご飯食べにくるか?」


「大丈夫です。カイルード団長もお疲れでしょうので、ゆっくり休んで貰いたいです」と私が言うと。


ジョナサン様は顔を上げて、ニヤッとすると。

「だそうだ、どうなんだカイルード?」


「俺は疲れてないぞ。今日も食べに来ればいいじゃないか」と後ろから声がした。


「え?カイさん。帰ってくるのは。。。」


「仕事が早く終わったんだよ。ルル、ただいま」とすごくいい笑顔で言われた。


どうしよう、すごく嬉しい。


「遠征先からいっぱい食材を買って来たんだ。今日中に食べないといけないのもあるから、ご飯を食べに来て欲しいな?」と覗き込まれた。


「は。。い、お邪魔させて頂きます」


「俺はもうお前たち見てるだけで、お腹いっぱいだわ」とジョナサン様がウンザリした顔をしてる、まあ目は笑っているが。


その日はきのこ鍋だった。ちょっとあの有名な兄弟のゲームに出てくるような、赤や緑で白の斑点がついたきのこがあったけど、普通に美味しかった。


そして2日後、私とカイさんはカイさんの馬に2人乗りしてオリオン湖に向かっている。馬には今世でも滅多に乗らないので、ドキドキだけど。カイさんがしっかり支えてくれるから大丈夫そうだ。


「湖までは1時間ぐらいだ、疲れたらちゃんと言ってくれ。俺は慣れているからわからないけど、慣れてないと腰や足が痛くなるから」


「今の所大丈夫です。ありがとうございます」私はそれより、カイさんの密着度がいつもより高いのでそっちが気になる。


今日はとてもいい天気で、最高のピクニック日和だ。


湖に着くと、カイさんはピクニックシートを引いてくれた。


「カイさん、お疲れ様です。少し休んでください。私がしますから」


「遠征なんかだと、一日中乗りっぱなしだから、これぐらいは全然大丈夫だから。ルルちゃんの方が疲れてるでしょ?ちょっと休んだら、お昼ご飯の魚を釣らないとね」


「あら、責任重大。頑張って釣らないとですね」


2人で釣り道具を持って、カイさんのおすすめ釣り場に行く。


「ボートに乗ってもよかったんだけど、ちょっと大きい魚だから、ひっくり返ると困るしね」


「え!どれだけ大きいんですか?」


こ。。怖いんだけど。


「大丈夫だよ。かかったらすぐにこれで仕留めるから」と長剣まで出して来た。確かにこれはジョナサン様が懸念するわけだわ。デートから外れて来た。


私が困った顔をしていたのが、わかったのか。


「ごめん、ちょっとデートぽくなくなって来たね。俺に考えがあるから」


「。。。で、これがカイさんの考えるデートなんですか?」


私とカイさんは釣竿を湖に垂らしている。


そして私は何故かカイさんの膝の上で釣りをしている。


「もし、魚がかかって、ルルちゃんの手に余ると危ないからね。これなら迅速に対応できるし」と自信を持って言われたが。私はもう釣りどころではない。


そんな事を話してたら、私の竿がグイッと引っ張られた。


「え?きゃあ!」


カイさんが私の手のを包み込むように竿を握ってくれる。


「大丈夫、俺が持ってるから。ゆっくり引っ張って」


この竿。。リールとかないけどどうするのと思ったら。カイさんが勢いよく竿を引っ張った、そして空中に魚が飛び出す。


うわーー魚が空を飛んでいる。


落ちてくる魚をカイさんが長剣で突き刺した。すごい動体視力だ。


「これはどういう釣りなんですかね」


「えーーと、フライフィッシング?」


「絶対違います」


剣に刺さっている魚は、細長いが軽く1m近くある。幸い変な色はしてないが、秋刀魚が巨大化したみたいだ。


「秋刀魚ですかこれ?」


「いや、これは味は鮭なんだ」


カイさんは連れた魚をさっさとさばいて、近くにある石を積み重ねてかまどのようなものを作った。そこに持って来た鉄の板を乗せて、火をつける。


鉄板に野菜とこの前のカラフルなきのこ、鮭を乗せて、ジョナサン様の味噌とバターを乗せる。


「うわー鮭のちゃんちゃん焼き!」


「ここなら人もいないし、こうやって食べても周りに迷惑かからないしね。おにぎりも持って来たからね」


「ご飯と食べたいなって思ってたんですよ。お腹すいたー食べましょう!」


カイさんはお箸まで作って来てくれていた。太めの木の串にやすりをかけて、先を細くしてくれている。


「美味しい!!これはジョナサン様の味噌に感謝ですね」


「そうだね、もっと魚を釣って持って帰らないと怒られるな」


私は満足そうに鮭を食べるカイさんを見て、やっぱり熊さんは鮭が好きなんだなとつい思ってしまった。



デートでは。。ないなと書いていて自分でも思いました。

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