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第八話 サブリミナル解析

スモーク「成程、少子化の正体は

     ローンウルフ達の見えないテロか……」

美沙「うん。そう言ってた」

スモーク「少子化のブラックボックスが

     ようやく解明できたな」

美沙「そうだね。それでね、

   その人が言ってたCMのサブリミナルを

   解析して欲しいの。

   スモークそういうの得意じゃない?」

スモーク「まあな、画像の加工や分析のソフトもある」

美沙「CMの映像は私が用意出来るから、

   そっちに持って行くって事でいいかな?」

スモーク「わかった。何時くらいになりそうだ?」

美沙「ん?えーっと……

   ちょっと遅くなる……かもー?」

スモーク「ん?まあいい。いつでも来てくれ。待ってるぞ」

美沙「うん。それじゃあとでね」

スモーク「了解だ。じゃあもう切るぞ」


 美沙はスモークとの電話を終え、自宅へ戻った。

美沙が毎週録画してるシャベリクイーンズという番組では、

毎回そのチョコレートのCMが流れていた。

美沙は録画してる番組をDVDに移した。

(よし、準備出来た。あとは……)

美沙は自宅のクローゼットに目をやり、

(あとは……んーーっと……えーーっとー……)




夜10時頃

 美沙はスモークの部屋のインターホンを鳴らした。

スモークがドアを開け、「随分遅かったな」

と言って部屋に上げた。

美沙「ゴメンね、仕事で色々あってさ」

スモーク「構わない。映像は持って来たか?」

美沙「うん。DVD持って来たよ」

スモーク「なら早速解析始めよう」

美沙「な、なんか会うの久しぶりだね」

スモーク「早速始めよう」

美沙「……うんわかった」


 スモークの部屋のレコーダーにDVDを入れ

再生を始めた。


スモーク「まずは最も一般的な方法で見てみよう。

     これで何も見つからなかったら今度は

     パソコンで分析する。

     いいか、サブリミナルってのは

     映像の中に一瞬だけ文字や別の映像とかを

     入れて、見てる人達に一瞬だけ見せる。

     見てる人達は気付かないが、無自覚のまま

     潜在意識にそのメッセージを刷り込ませ、

     洗脳するんだ。

     それを見る回数が多い程、

     洗脳も強くなる。例えばCMとかな」

美沙「サブリミナルを仕込むには一番の方法ね。

   最近チョコのCM多いなって思ってたのよ」


映像を早送りしてチョコレートのCMを映す。

美沙「来た!これよ」

スモーク「よし、まずは普通に見てみよう」

 二人はチョコのCMを凝視するが、

何も違和感は無い。

美沙「何も無いと思うわ」

スモーク「じゃあ今度はコマ送りでゆっくり再生するぞ」

 コマ送りで再生を始める。

スモーク「色の変化や違いに注意してよく見てくれ。

     女の方が色彩の識別は向いてるって

     聞いた事がある。あと画面の隅っこもな」

美沙「わかった。んー」

 美沙とスモークは二人並んで画面を凝視する。

映像の背景が赤い背景から緑に変わった時、


美沙「!止めて!!」

スモーク「何か見つけたか!?」

 スモークは一時停止を押してリモコンを美沙に渡した。

美沙が早戻しして1コマずつコマ送りすると、

美沙「今!右上!」

スモーク「あった!!俺も見えたぞ!!」


コマ送りを繰り返すと、赤い背景から緑の背景に変わる

一瞬の1コマ、画面の右上に

赤い背景に紛れて少し薄いピンク色で

横書きの文字を見つけた。


お と こ は て き 


 美沙の全身に鳥肌が走った。

美沙「男は敵?」

スモーク「ああ間違いない。男は敵って書いてるな」

美沙「……サブリミナルは本当にあったのね」

スモーク「ああ、これが証拠だ」

美沙「何か、無い方が良かったなーって、今更……」

スモーク「だがこれが現実だな。

     そのSって男が言うように、

     Sの真似をしてる奴らが何人もいるんなら、

     こんなサブリミナルが他にもある可能性があるな」

美沙「そう、じゃあ最近の晩婚化とか推し活とか、

   蛙化現象とかもこのサブリミナルに洗脳されて

   男を嫌うようになったからって事かな?」

スモーク「かもな、それにサブリミナル以外にも、

     例えば男と女を仲悪くさせるために

     故意に悪口や愚痴をSNSでばら撒いたりも出来る。

     それぐらいならハッカーじゃなくても出来る。

     かなりネットに広がってるだろうな」

美沙「なんか、すごい怖くなってきたよ」

スモーク「……お前と組んでからホントに

     驚く事ばかりだよ。俺達凄い事やってるぜ」

美沙「うん私もスモークと組んでから、

   毎日楽しいよ。色んな事が起こって」

スモーク「そりゃ光栄だわ。さて、今日はここまでだな」


美沙「あ、あのさ、もう少し話さない?

   なんか怖くなってきちゃって一人だと嫌かな、ハハッ」

 スモークはレコーダーの取出しボタンを押して

スモーク「どうした?お前らしくないな

     ほい、DVD返すよ」

美沙「あー、終電、逃しちゃった……かもー?」

スモーク「ん?お前ん家そんな遠かったか?」

美沙「んー何かこんな夜中に帰るのも危ないしー

   今日何か疲れちゃったからさー、そ、そのーあのー

   と、と、と、と、と、泊ってもいいかな?」


二人の会話は止まり、一瞬時間が止まったようだった。


スモーク「そうだな。別にいいぜ」

美沙「え?」

スモーク「電気消すぞ」

美沙「え?え?え?」

 スモークは自分のベッドに潜り込み、

スモーク「お前そこのソファでいいだろ」

美沙「…………」

 明かりの消えた部屋で何も言えないまま

美沙はソファで横になった。

が、暫くしてスモークが寝てるベッドに近づき、

スモークの肩を揺らした。


美沙「ねえ、女をソファで寝かせる気?」

スモーク「うーんわかったよほら」

そう言ってスモークは布団をめくった。

美沙「え?」

 スモークはベッドから起き上がり、

ソファに移り「よだれ垂らすなよ」と言って

ソファで横になった。

美沙「……うん、大丈夫」

美沙はベッドに入った。

・・・・・・・・・・・・・・

スモーク「そう言やさあ」

美沙「何?」

スモーク「女って普通寝る時メイク落とさない?」

美沙「あ、1日くらい平気かな」

スモーク「洗面所はあっちな」

美沙「う、うん」


暫くすると部屋にスースーとスモークの寝息が

響いてきた。

美沙「……ねえ……」

スモーク (スー スー)

美沙「……ちょっとぉ……」

スモーク (スー スー)

・・・・・・・・・・・・・・

 美沙はメイクを落としに行った。

そして思った。

(勝負下着つけた来たのがバカみたいじゃん!)


つづく

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