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第七話 独占取材

スモーク「わかってるのは相手は40代男性

     って事だけだ。性格や心理パターンまでは

     わからないぞ」

美沙「ええ、構わないわ」


美沙は深呼吸してから電話を掛けた。

(プルル……)


美沙「……出ないみたいね」

電話を切り、明日掛けなおそうと思ってた時

相手から掛かってきた。

「来た!」と言って美沙はすぐ電話に出た。


美沙「はいもしもし」

相手「着信があったから掛けなおしてるんですが

   誰ですか?」

美沙「突然の電話申し訳ございません。

   私、アカツキテレビ報道局員の

   内崎美沙と申します。〇〇様で

   よろしかったでしょうか?」

相手「そうですが、テレビ局が何の用ですか?」

美沙「はい、単刀直入に申し上げさせて頂きますね。

   あなた、日本国民安楽死計画について

   何か御存じではありませんか?」

相手「な、何だと?何故それを?」

美沙「実は私その件に関して独自に調査をしておりまして、

   顔も名前も出しませんし、カメラも回しません。

   インタビューに答えて頂くだけで構いませんので

   取材させて頂きたいのですが、いかがでしょうか?」

相手「断る。もう二度と掛けて来ないでくれ」

美沙「あの投稿をZに載せたと言う事は、

   何か目的があったんじゃ無いでしょうか?

   何か言いたい事があったんじゃ無いでしょうか?

   私マスコミ関係者なのでお力添えになれるかも

   知れませんがいかがでしょうか?

   カメラも回しません。プイラバシーも守ります。

   質問に答えて頂くだけで構いません」

相手「……いいだろう。それくらいならな」

美沙「はい、ご協力まことに有難うございます。

   それでは日程の調整をさせて頂きたいのですが」


 美沙は相手との日程と待ち合わせ場所を決め、

取材の約束を得た。


スモーク「……さすが取材慣れしてるなあ

     普段からやってる感じが凄いな」

美沙「あなたは休んでて。

   こっからは私の出番よ!」



3月〇日 取材当日


 夕方頃、美沙は待ち合わせ場所の公園で相手を待っていた。

遠くから少し猫背の男が歩いた来た。

美沙は男に声をかけた。「あの、○○さんでしょうか?」

男は「ああ、そうだ」と返した。

 男は美沙に対して警戒心や疑念を隠す気も無い表情で

美沙を睨んでいた。

「今日はご協力有難うございます。ベンチに座って

話しましょうか」美沙は相手の警戒心を解く為に

優しい口調で公園のベンチへと誘導した。

 二人はベンチに座った。

相手は美沙に目を合わせず遠くを見ている。

美沙は場の空気を和らげようと聞いてみた。

「なんとお呼びしたらよろしいですか?」

相手は「……Sと呼んでくれ」と、

美沙と目を合わせないまま答える。


美沙「ではSさんよろしくお願いします。

   どうやって日本国民安楽死計画を知ったのですか?」

S 「……俺はハッカーのスキルを持ってるんだ。

   10年程前に、あのお騒がせ国家が日本海に向けて

   何度もミサイル撃ってきたのを覚えてるか?

   あの時にムカついたから、サイバー攻撃を

   仕掛けてやろうと思ってあの国に

   ハッキングしてやったよ。特にあの国の

   軍事部門を狙ってな。その時に

   あの、日本国民安楽死計画ファイルを見つけたんだ」

美沙「ファイルを見つけて、そのあとどうしましたか?」

S 「あの計画を知った時は驚いたよ。

   こんな方法があるのかと、まさか少子化を

   武器として利用するとはね。それで俺は

   中止になったあの計画を、俺が代わりに

   日本で実行してやろうと思ったんだ。

   これなら金もかからない。捕まらない。

   自作の銃で総理を後ろから撃ち殺す必要もないからな。

   あの計画の通り、

   チョコレートのCMにサブリミナルを仕込んでやったよ。

   チョコの会社にハッキングしてCMの映像を盗み、

   サブリミナルを仕込んでまた会社のパソコンに

   戻してやった。

   今もテレビで良く流れてるだろう。気になるなら

   調べてみるといい」

美沙「……何故そんな事をしたのですか?」

S 「この国に復讐してやるためだよ」

美沙「この国に恨みがあるのですか?」

S 「そうだ」

美沙「どんな恨みですか?」

S 「……俺は結婚してたが、妻の幼児虐待が原因で離婚したのに

   親権を取れなかった。

   それでこの国の裁判や法律や社会を恨むようになった。

   そんな時あの計画を知って俺が実行したんだ。 

   俺なりの、ローンウルフテロなのさ」


 美沙は(この話、私が取材しようと思ってたネタと

同じだわ)と思ったが、話が逸れると思ったので

黙っておく事にした。


美沙「日本国民安楽死計画を実行したという事は

   この国が滅びればいいと思ってるんですか?」

S 「ああ、思うな」

美沙「おなたのお子さんが生きる未来も

   滅んだ方がいいと思いますか?」

S 「…………」

美沙「今回、何故取材を受けてくれたのですか?」

S 「お前が頼んだんだろうが!」

美沙「言いたい事があるんじゃないですか?と聞いたら

   取材を承諾してくれましたよね?」

S 「……そうだな」

美沙「あなたが日本や社会に伝えたい事は何ですか?」

S 「父親が親権を取りづらい現実に目を向けろと言いたいな」

美沙「自分と同じ思いをする人を増やしたくないですか?」

S 「ああ、そうだな」

美沙「その人達に幸せになって欲しいと思いますか?」

S 「ああ、思うよ」

美沙「その人たちの未来を少子化というテロで滅ぼすのですか?」

S 「…………」

美沙「矛盾してませんか?」

S 「…………」

美沙「あなたは、ハッカーならZの履歴や、ネット上の

   自分の痕跡を消す事も出来たんじゃないですか?

   何故そうしなかったのですか?」

S 「…………」

美沙「本当は私みたいな人が来るのを待ってたんじゃ

   ないですか?」

S 「…………」

美沙「本当は誰かに話を聞いて欲しかったんじゃ

   ないですか?」

S 「…………」

美沙「本当は、誰かに、

   慰めて欲し「うるせーーーーー!!!!!」


Sは激高した。


美沙「……そんなに大きな声出さなくても聞こえてますよ」

S 「お前に何がわかる!子供は奪われた!

   俺にはもうこれしかないんだ!

   復讐や腹いせぐらいしか生きる理由がないんだよ!

   お前に俺達の気持ちがわかるかよ!!」

美沙「?俺達というのは?」


Sは不敵な笑みを浮かべた。

S「フフフ……そうだな教えてやろう。

  あの最初の#日本国民安楽死計画を投稿した後DMが来たよ。

  あんたの計画に乗った、とか、俺もやるぜ、とかな。

  そいつらも自力で計画に気付いたんだろうな。 

  俺一人を逮捕しても殺しても無駄だぞ!

  俺以外にも何人も同じようにこの国に恨みを持つ奴はいる!

  会社を首になった奴、受験に失敗した奴、宗教に家族を壊された奴、

  そいつらがあの計画通り男女の仲が悪くなるよう

  憎しみをネットにばら撒いてる!


  わかるか?この国の少子化の正体は、

  ローンウルフ達の見えないテロだ!」


美沙「……わかりました。私からは以上です

   そちらは?」

Sは無言で立ち去った。

Sの後ろ姿が遠のいていく中、美沙は呼び止めた。


美沙「待って!!」

Sは立ち止まり振り向いた。

美沙「……私、あなたの力になれるかも知れないんです!」


つづく

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