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第五話 日本国民安楽死計画ファイル

美沙はスマホで 


『男に告らせる方法』


と検索しながらテレビ番組を見てくつろいでいた。

 美沙が好きなこのシャベリクイーンズという番組は

男性ゲスト1~2人に対し女性タレント10人位で

男性ゲストの恋愛観やデートプランに

ツッコミを入れていくトーク番組。

 女性の方が圧倒的に多い、数の圧力で

毎回男性ゲストにダメ出ししまくる。

はっきり言ってジェンダーリンチだ。

 (これがもし男と女逆になってたらどうなってるだろう)

そんな事を思う時もあるが、男性が女性達から

よってたかって怒られる姿はやはり女性である美沙にとっては

愉快だった。おもしろいからいいじゃんと思って

美沙は楽しんでいた。


 今日もスモークからの連絡は来ない。

前回から二日経ったがスモークは沈黙したままだ。

さすがにあいつも手こずってるのだろうかと

美沙は少し心配になってきた。

(1回位励ましの電話掛けてやってもいいかな?……)

そう思ったが美沙は

女から電話したら負けスイッチが入っていたので止めた。

(でも、1回位なら……いや、やっぱダメ!)

美沙の女のプライドがそれを許さなかった。


 美沙はふと思った。

(そういや女から電話してはいけないとか、

男を追いかけてはいけないとか、誰が言い出したんだろう。

私がそれを知ったのっていつだったっけ。

何か私自分で考えてないんじゃない?

誰かにそう思わされてない?)


 美沙はスマホを見つめ、スモークの連絡先を

タップしたその時、スモークから着信が来た。


リリリ…… うわっと美沙は驚いて、直ぐに出た。


美沙「もしもし?」

スモーク「俺だ。今話せるか?」

美沙「うん全然平気!いや、待って、

   用があるならさっさと言ってよねバタバタしてるから!」

スモーク「ハッキングで出来るとこまで

     情報を盗めた。明日仕事終わりで来れるか?」

美沙「うんわかった。明日ね。」

スモーク「じゃあ待ってるぞ」

美沙「あ、ねえ、二日連絡なかったじゃない。

   ハッキング大変だった?」

スモーク「まあな」

美沙「どんな事がわかったの?」

スモーク「長くなる。電話だと伝わりにくいから明日にしよう

     じゃあ切るぞ」

美沙「なんか持って行くものとかある?」

スモーク「ん?バタバタしてるんじゃ無かったのか?」

美沙「う、い、いいじゃない!そっちが大変そうだったから

   声かけてあげようとしてるのに」

スモーク「大丈夫だ問題ない。質問がないなら切るぞ?」

美沙「……わかったわよ」


電話が切れた。

美沙「ハア~(何であいつはいつもああなんだろう)」



翌日 仕事が終わると美沙は真っ直ぐに

スモークの部屋へと向かった。

インターホンを鳴らすと

少し険しい表情のスモークが出て来た。

上がってくれと言ってスモークは美沙を家に上げる。

二人は部屋の奥へ歩きながら


美沙「なんか怒ってる?顔コワいよ」

スモーク「そう見えても仕方ないかもな」


スモークはパソコンデスク近くの事務用椅子に座り

くるりと回り美沙を見つめる。

美沙は斜め前のソファに座りスモークと向き合う。

スモーク「ハッキングして、分かった事、

     一から全部話す。いいか?」

美沙「……お願い」


スモーク「世界経済シンポジウムをハッキングしたら

     不審な金の流れを見つけた。ある所から

     あいつらは賄賂を受け取ってたんだ。」

美沙「ある所って何処よ」

スモーク「東アジアの、日本のご近所の

     何かと話題のあの、お騒がせ国家だ。

     そこで今度はあのお騒がせ国家の政府の

     PCにハッキングしていった。そこで見つけた

     データを出来るだけコピーして翻訳したら

     興味深いファイルを見つけた。見てくれ」


スモークはパソコンのスクリーンセーバーを止めて

画面を美沙に見せた。その翻訳されたファイルを見て

美沙は驚愕した。


美沙「日本国民安楽死計画ファイル!?」

スモーク「……どっかで見た事無いか?」

美沙「Zでトレンドになってたやつだよね?」

スモーク「ああ、他にも翻訳したデータとかと

     照合して詳細が分かった。続けていいか?」

美沙「お願い……」


スモーク「あのお騒がせ国家も以前から日本同様に少子化で

     悩んでたようだ。あいつらも欧米諸国みたいに

     少子化改善の為に男女平等な社会にしようと考えて、

     女性の社会進出を推進したり、

     女性の地位を向上するような政策や支援をして、

     多額の税金をつぎ込んだが、結果は出なかったようだ。

     あいつらは、欧米諸国と同じことをしても、

     宗教も国民性も人種も違うから、あの国では

     同じような成果は出ないんじゃないかと思い始めた。

     

     あいつらは男女平等になるほど

     少子化が進むんじゃないかという推論を立てた。

     だが自国でその推論を確かめたら

     推論が外れた場合少子化が加速する恐れがあるから

     他の国で実験しようとしたようだ。

     そこで選ばれたのが日本って事だ。あいつらは

     その為に世界経済シンポジウムに賄賂を送り、

     日本をジェンダーディファレンス指数の下位にさせて、

     日本がもっと男女平等になるよう

     仕向けたようだ。その結果日本でも

     あの国同様に少子化が進み、

     やはり男女平等になっても少子化の改善にはならないという

     実験結果を得て、実験は終了した。

     ここまではいいか?」


美沙「えっと、急に言われても信じられないんだけど、でも、

   それがホントなら編集長の態度も辻褄合っちゃうような」

スモーク「そうだな……これは俺の予想だが、

     お前んとこのアカツキテレビは日本政府から

     女性が強くなって男が弱くなるような報道をするように

     支持や圧力がかかってると思うぞ。 

     盗聴で編集長が言ってたお上ってのは

     日本政府そのものだろうな……。

     政府としてはジェンダーディファレンス指数が

     最下位に近いってのはカッコ悪いから直したいだろう。

     だからもっと女性が強くなるような番組を流す必要がある。

     だからお前のネタはボツになったと考えれば、

     なんかパズルがはまってきたと思わないか?」


美沙「確かに……あの、そう言えばね、

   私雑誌のコラムの連載もやってるの。そのコラムでも

   同じようにあとからやっぱりボツになったんだ」

スモーク「……その話が本当なら、

     政府の報道への規制や制限がテレビ以外にも

     新聞や雑誌にも広がってると考えた方がいいだろうな。

     最近ワイドショーや新聞でも過剰に女性を持上げたり、

     女が強くて男は弱いみたいなイメージを植え付ける

     バラエティー番組とかドラマが多いと思わないか?

     女がよってたかって男の悪口言ったりとか」

美沙「え!?えーっと、そう言えば、そうかも。ハハハッ」

スモーク「あーいうのも全部、あのお騒がせ国家が

     世界経済シンポジウムを使って日本を

     操ってた影響という可能性が強くなってきた。

     ……続けていいか?」

美沙「まだあるの?」


スモーク「実験は終了して シンポジウムへの賄賂も止めたようだ。

     だがそれに目を付けたのがあいつらの国の軍事部門で、

     このまま日本の人口を減らし続ければ、

     弱体化させて容易に占領出来るから、

     あいつらの国の、日本にも進出してるお菓子メーカーの

     チョコレートのCMにサブリミナルを仕掛け、

     日本の男女が仲悪くなるように洗脳して

     少子化で日本が弱体化するのを待つ事にした。

     

     これが日本国民安楽死計画のようだ」


美沙「え?チョコレートのCM?ホントに?」


スモーク「まったくお見事だよ。これならもう

     ミサイルを撃つ必要もない。兵士も死なない。

     国際社会から避難浴びる事も無い。

     そもそも攻撃してる事すら誰も気づかない。


     この計画の新しい所は、

     殺す事じゃなく、『産ませない』って事に

     着目してる所だな。

     わかるか?あいつらにとっては、

     少子化は、大量破壊兵器なんだよ」

美沙「……じゃあ、日本の少子化は、あのお騒がせ国家の

     策略だったって事?」

スモーク「いや、そうじゃない。

     ファイルにはまだ続きがあるんだ……。」


つづく

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