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第04話(1)

 個室に食事が運ばれ、食べながらの会話となった。

 本日のお勧めコースは、ビーフシチューとサラダとパンに、ロゼのワインが付く贅沢メニュー。

 但し、ゴッセンはご機嫌な表情で更にビールを追加する。

 ワインだけでは物足りないのは、ドワーフならではだろう。

 店員が個室を出て皆が食べ始め、落ち着いてきた頃にカイルから話し出す。

「先に2つ聞いておきたい。

 ケイトはあの迷宮に入った事は?」

「一度も無いわ。

 なにより一般国民で迷宮に入る人はいないと思う。

 皆、それなりに仕事を持っているからね。」

「なるほど。

 なら魔物と戦闘した事は?」

「飽きるくらいあるわ。

 城下町にあるセレネ魔法学院の出なんだけど、あそこはスパルタ教育でね。

 私はそこの卒業生よ。」


「なるほど。

 それだけ分かれば十分だ。

 じゃあ教えるとしよう。

 あの地下迷宮は古の人工物を元に創造されていて、地下6階まである。


 地下1階は、ネズミの巣だ。

 それなら初心な冒険者でも大丈夫と思われがちだが、毒を持ったキラーラットが多数いて厄介なフロアだ。

 キュア・ポイズン(解毒)の神聖魔法かポーション、あとは1グループ全体に攻撃出来る魔法使いがいないと厳しい。

 都市伝説としては、この地下1階のどこかにカバみたいに巨大なネズミがいるって噂がある事だ。

 だが誰も見た者はいないし、地下1階で未踏のエリアは無いと言われている。


 地下2階は、虫系の魔物が多い。

 うちのメンバーもだが、女性陣が一番嫌っているフロアだ。

 ただ戦闘自体は火炎系の魔法が使えるか火炎瓶でもあれば割と楽。

 あいつらは基本的に火に弱い。

 都市伝説としては、体長2メートルの巨大蜘蛛がいるという噂だ。

 巨大な蜘蛛の巣を張って待ち構えているって言うが、地下2階にそんな広いフロアは無い。


 地下3階は、城下町の地下を張り巡らせている大下水道と繋がっている箇所がある。

 吸血蝙蝠の大群が凄く、地下3階と大下水道を行き来しているようだ。

 あとは地下水があるせいか、毒蛙や巨大蛭も多い。

 都市伝説としては、自らを墓守と名乗る者が1人で徘徊しているという噂だ。

 ゴーストの類じゃないかと思うが、少なくともあのフロアに墓所みたいな箇所は無い。


 地下4階と5階は、連絡通路の様な1本道だ。

 階段と通路のみで部屋が無い。

 ところどころに天井から吊り下げられた古い看板があって、

『SUBWAY』

 と書かれているが、何の事かは意味不明だ。

 都市伝説としては、このどちらかの階層に隠された部屋があるって噂だ。

 だが、熟練のレンジャーが探索してみても発見されたという話は聞かない。

 厄介なのは、通路を塞いで待ち構えているコモドドラゴン。

 一撃で倒せないと、最低でも一度はあれのブレスを喰らう事になる。


 地下6階は、ホームと呼ばれている。

 何故そう呼ばれているのかは分からない。

 2メートル未満の深い段差があって、底にはボロボロに錆びた鉄の棒が2本長く横たわっている。

 鉄の棒の両端は、土砂で埋まった状態だ。

 都市伝説としては、土砂の向こう側にはまだ先があって巨大な通路があるという事だが、土砂を取り除けるわけでもないから確認する事も出来ない。


 以上だ。

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