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平凡を望む、されど...  作者: わか
召喚士
10/21

第9話 準備

前回のあらすじ


エルフと交戦する主人公

 市街を駆け回った3日後、ようやく筋肉痛が治まってきた。いやー、もうね、全身筋肉痛よ、筋肉痛。ポーションがなかったら痛みが引かず長引いていたね。もちろん、エレノアさんも筋肉痛。苦痛に歪む顔が笑えた。実際指をさして笑ったらビンタされたけどね。あれは、いい音したぜ?銃声並の音だったね。あははは。


 「おはようございます。エルさん、体調はどうですか?」


 朝日が眩しいのと同じぐらい笑顔が眩しいエレノアさん。日本にいた頃は、死ぬまで1人でいいやとか考えていたけど、この世界に来てから苦楽を共にする人が近くにいるって幸せなんだなと感じている。


 「おはよう、エレノアさん。万全ではないけどだいぶ良くなったよ。エレノアさんは?」


 「私もエルさんと同じです。ポーション様様ですね。今日の夜までこの部屋を借りて良いとのことですがどうしますか?」


 「この3日間はゆっくりしたし、夜までに偵察を兼ねて外に出ようと思う。魔法を込められるワンドや宝具なども色々準備しておきたいしね」


 「分かりました。何か私に手伝えることはありますか?」


 (ぶっちゃけないんだけど...)


 「うーん、黙々と作業するのが辛いから話し相手になってくれる?」


 「喜んで!ふふっ。3日前からあまり会話してませんでしたからとても嬉しいです。何なりとお聞き下さい。」


 確かにとても嬉しそう。差し当たりない会話になるけど仕方ない。この世界についてきいてみるかな。


 「エレノアさんは神について知っている?」


 「はい、存じていますが、全く信仰しておりません。私の信仰する方は、エルさんです。」


 「あ...そう。俺を信仰するとか頭がおかしいのかもしれないね。召喚サモン、エリクサー。はい、これ飲んで。きっと脳が正常になるよ。」


 渡されたエリクサーを見て目を見開いて驚くエレノアさん。ウケる。あるかなーって想像して召喚してみたら出現したからラッキーだね。きっと、エリクサーが突然消えて混乱している人がいるかもしれない。


 「えっ?え、エリクサー?あ、あの伝説のポーションをこんな簡単に...って、私は正常ですから要りません!!バカにしないで下さい!もー、エルさんは時々意地悪です!」


 「ごめんちゃい。信仰については置いといて、文字はどこで習ったの?」


 「置いといて...ふぅ、まぁいいでしょう。文字は亡き母に教えてもらいました。ハーフエルフである私は、この先の人生大変だろうということで文字など簡単な座学を施されましたね。大きな街に行くと学び舎があると聞いたことがあります。」


 「ふーん、エレノアさんのお母さんは頭が良かったんだね。召喚サモン、空飛ぶ絨毯。チッ...さすがに出ないか。次の質問、移動手段は馬車以外にある?」


 手を顎に当て考えるエレノアさん。亡き故郷以外、外をあまり知らないから分からないのかもしれない。


 「申し訳ありません。魔法で飛翔出来ると聞いたことはありますが、それ以外は馬車や徒歩がメインになると思われます。」


 「教えてくれてありがとう。召喚サモン、不可視化のローブ。おっ!出た!エレノアさん、これ羽織ってみて!」


 不可視化のローブを羽織るエレノアさん。ローブを羽織ると居たはずの彼女が透明化し見えなくなる。これは使える。初めから準備していれば良かった。今更後悔しても仕方ない。次だ、次。

 既存の魔法具や宝具のチェックや魔力チャージを行う。その間、たわいがない話しをしつつレジスタンスについて尋ねる。


 「レジスタンスと交戦したのはどうしてか聞いていい?」


 「はい。もちろん大丈夫です。エルさんと別れてエルフの男を尾行していたのですが、とある建物に入って行ったので手榴弾を放り込みました。かなりの数投げたのですが...あのエルフたちも中々しぶといですね。そのまま死ねば良かったのに。」


 (怖い、怖い。親指の爪を噛んで悔しがらないで!)


 「建物ごと爆破したのですが、地下にいたのでしょう。生き残ったエルフたちが這い出て近くにいた私を見て攻撃してきたのです。私もすかさず、残りの手榴弾を投げ、数的に不利だと悟り逃亡しました。」


 「な、なるほど。状況は理解した。召喚サモン、手榴弾、手榴弾、手榴弾。話が変わるけど、今更な話、エレノアさんって魔法使えるの?」


 「あ、はい。身体強化しか使えません。エルフの血を引いていますが放出系の魔法がてんでダメなのです。だから、手榴弾があって助かっています。ふふふっ。爆発する時の振動がクセになりますね。」


 手榴弾を渡すの止めようか一瞬戸惑ったが、念の為渡しておく。俺に向かって投げないことをよく言って聞かせる。


 「エレノアさんがこれあったらいいなーと思う道具やら武器あるかな?」


 「うーん...少し時間をください。」


 「どうぞ、どうぞ。よく考えてくれると嬉しい。」


 エレノアさんが考えている間、俺の戦闘スタイルの確立をしなくては。エルフが無詠唱で驚いていたことから魔法使いとして固定砲台となるしかないような気がする。接近戦はエレノアさんがメインで良いだろし...


 「エルさん、刺突武器があると助かります。敵を一撃で葬れるるような...可能でしょうか?」


 「分かった。用意しておくよ。他には?」


 「毒ですかね?」


 「お、おう。用意しとくね。また思いついたら随時教えて。」


 はい!といい返事をもらい、準備を再開する俺。


 (刺突武器、毒、不可視化のローブ...暗殺者かな?)


 日が暮れるまで準備に時間が費やされる...


次回 偵察

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