ジーノ、陸ウミウシの洗礼!! 助け
何故かセレネは半笑いで激赤面しつつ頭を抱えている。
「ヒッマタマタ、恥ずかしいぃ~~ヒィイイッ恥ずかしいよぅ」
「部長どしたんスか、ミラがえらいこっちゃですよ!?」
「ンピルーーッ」
セレネが錯乱する間も、捕らえられたミラの全身を妖しく這うヌメヌメとした触手達は、服の上から柔らかい女学生の感触を弄ぶだけでは飽き足らず、遂に服を引き裂き破りに掛かる。
ビリリッ!
スケバン風紺色の制服はいとも簡単にあちこちが破き割かれ、濃い色の制服とは鮮やかなコントラストを成す真っ白いミラの太ももや、汗ばみ揺れる乳房など隠されていた少女の柔肌が露になる。
「い、いやあっ……か、堪忍……」
モンスター相手に思わず大正時代の乙女の様な叫び声を上げるミラ。
「ヒィ、か完全にマタマタのパターンやないかっ色んな意味で恥ずかしいぃいっ」
セレネは完全に錯乱して首を振る。
「部長? 部長を此処までにしちまうマタマタとは!? いや今そんな事言ってる場合じゃねえ、部長が使いモンにならねーなら、アタイがやってやるさっおりゃーーーっ!!」
シャリーン!
勇ましく剣を抜いたジーノは友人を助ける為に陸ウミウシのアンドロメダーに挑みかかった。
「ンッピルピル、ンッピルピル」
まるで新たな獲物を前に卑猥に笑うかの様に鳴く陸ウミウシ。その証拠に剣を前にしても恐れる事無く新たな触手を何本を生じさせ、走り寄るジーノ目掛けて文字通り触手を伸ばした。
シュルルーーッ!!
「くっ負けるかーーっ!!」
(来る、遂に来る? 中肉中背の顔中の中と言われた私に遂に触手が、エロの洗礼が来る!?)
ジーノは混乱しているのか、突然力なく剣を落とすとふっと目を閉じた。
カラン……
(どっくんどっくん……来る)
「ンピルー? ピルピルピルゥ」
ぴたっしゅるーーーっ
しかしジーノの顔目前まで来た途端、何故か触手はピタッと動きを止めあろう事か引き返した。
「…………おーのぉーーれーーー!! 今コレはいいわって言っただろーーっ!」
種族の違いを超え、二人は意志の疎通を達成していた。しかし烈火の如く怒ったジーノは泣きながら剣を拾い再び襲い掛かった。
「おりゃーーっ!」
ひょいひょい
だが巨体に似合わずミラを持ち上げたままのアンドロメダーは簡単にジーノの剣を避けてしまう。
「ンピルーッ」
「避けんなっ」
さらに器用な事に剣を避けながらもミラへの淫靡な触手の動きも激しさを増し、制服は殆ど脱がされ下着姿となった彼女の素肌への蠢きは、シャレにならん段階まで来始めていた。
「くっはぁはぁ、あんっだめ……や、やめろ……スナコ助けて」
(何故スナコの名前を?)
「イカン、本格的にヤバくなって来た!? 部長は相変わらずだしどうすれば良いんだよっ!!」
その時であった、彼女は気付いていないが天空がキラリと光った。
「覇ぁーーーっ本家、兎幸ウルトラスーパァーーキィーーークッ!!!」
「え、何?」
シュバァーーッドギャッ!!
ジーノとミラが空を見上げた直後、突如UFOから飛び降りた兎幸が必殺技を決め、アンドロメダーは前によろめく。
『ミラを離せーーーっ!』
次にボードに書いて迫力が皆無のスナコが剣を抜き、ミラの身体に巻き付くエロ触手の根本を次々に切り落として行く。
シャリーーン、スパスパスパッ!!
ぼとぼとと落ちて行くその先に、支えを失ったミラが落下して慌ててスナコが受け止める。
ズザザーッどさっ
「な、何だよ何でお前が来てくれるんだよ」
『ミラ、どこも無事ですか!?』
「無事だよ、もう怖かった!!」
瞳を潤ませ、まつ毛の一本ゞが見える程に顔を近付けた二人だが、直後にミラは思わずスナコの胸に顔を埋めた。
『良かった……』
相手は女子のハズなのに白馬の王子に助けられた気がしてミラは赤面してさらに顔を埋めた。
(あれ……コイツ胸が……低いとか薄いのレベルじゃ無くて……無い? まさかスナコっておと)
『どしたんですミラ?』
一瞬二人が抱き合ったまま固まっている瞬間であった。
「離れろ! まだ敵は生きてるぞ!」
激怒したセレネが二人を引き剥がし現実に戻した。
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