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敵だらけの城壁の中を突き進みます!c


 見ると巨大な王の石像の基壇があり、さらに城門の前の橋は石作の立派な物であり、橋の中央にこそ簡単な車止めが急場で作られていたが、跳ね橋や容易に落とせる様な機能は無く、全く戦争向きの構造では無かった。


 城兵が門上から多少の攻撃を続けているが、正面の門が破壊された時点で車止めは破壊され魔戦車が殺到して収集の付かない事になるだろう、等と考えている時だった。


 ズザザザザザーーーーーー!!! ガシャンッッ


 突然、ギャギャーーというタイヤが空転するけたたましい音が鳴り響いた。


 大きな防御シールドにしこたま攻撃を受けながら車止めの隙間をすり抜け、何かが斜めから砂緒の後ろに突っ込んできて、そのまま城壁に衝突し、中に乗っている何者かがすべり転げて出て来て止まった。


「ごめん、砂緒来ちゃった、てへっ」

「何ーっ!!」


 砂緒が攻撃を受けながら振り返ると雪乃フルエレとイェラだった。骨折等はしていない様だ。


「何で来たんですか、今度こそ本当にグーで殴りますよ。てかどうやって来たんですか」


「聞いて! 人が少ないゾーンを突っ切っていたら、途中でイェラさんがフラフラ歩いてて、イェラに城の抜け道を聞きながら来たの! だから結果オーライでしょう、怒らないで、ね」


「だから! そもそも何で来たんですかと……ん?」


 砂緒がイェラを見ると、ほぼ裸の肢体に破れた布か何かを胸と腰に巻き付けている尋常じゃない姿をして、しかも手足に刀傷を負っている様だった。その姿でフラフラと城壁内を歩いていたとは一体何がと。


「ど、どうしたんですかイェラ……」

「き、気に……するな……大した事では……んっ」


 視線を感じたのか胸元を押さえたが、どこか痛むのか呻くイェラ。砂緒の中に今まで感じた事が無い程の怒りがふつふつと湧き、指先に電気がほとばしり出した。


「おおーい! 君達硬くなる化け物君かい? 門は開けられないから縄梯子を降ろす、それで上りなさい!」


 弓を持った城兵が矢間から身を乗り出し三人に呼び掛ける。三人が上を見る。


「凄い攻撃ですよ、縄梯子なんて昇っていたら的です! それにここの城門も、もうもたないでしょう!」


 砂緒は上を向いて叫びながらふと目の前を見ると、巨大な王の像の前に立っている事を思い出してはるか上を見上げた。

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