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有未レナードの作戦とイェラ拘束……b


 ニナルティナの負け続きの指揮官有未(うみ)レナードは何とか王や重臣達を説得し、北回りの航路で密かにリュフミュラン王都の東側の森まで魔戦車部隊をピストン輸送していた。


 城の内部に通じるトンネルを複数掘り、城の正規軍と厄介なライグ村義勇軍と衣図が北の半島に向かう様に内通者を利用してまでお膳立てした、空前の大迂回作戦が成功する寸前まで来た所で得意の絶頂になっていた。


「眼鏡、お前も喜べ! たはははは」


 美形なのに負け続きで言動も残念と言われる有未は、副官の眼鏡の女性の頭をポンポン叩きまくる。


「止めてください、頭をぽんぽん触るのはセクハラですよ。それに勝つ寸前で大勝利宣言するのは悪役のやる事なので不吉なのでやめてください!」


 眼鏡と呼ばれる背の低い副官は思い切り有未の手を払いのけた。


「有未レナード様、兵の一部が一般市民や女性を襲ったり金品を奪ったりしております。如何致しましょうか?」


「お、おいマジかよ。俺の壮大な大迂回作戦に変な汚点残すんじゃねーよ、殺せ! 市民に手出しする奴は構う事無く首を跳ねろ! やべえ俺も行くわ。眼鏡続けて指揮を執れ!」


 有未が剣を取り、眼鏡と呼んでいる副官に指を指して指示をする。複数の兵が彼の後に続く。


「は、はい。お気をつけて」


 有未は方々の持ち場を見て回る。確かにあちこちで風紀が乱れ、各兵が攻城の持ち場を離れて金品を強奪したり、女性を襲ったりしていた。


 見つける度に捕まえ、首を跳ね士気が下がらぬ様努めた。そして一部では作戦の指揮どころではない程風紀が乱れている事に愕然としていた。


 しかし全体としては攻城作戦は成功しつつあったのは事実であり、指揮所に残して来た眼鏡が確実に攻城を進行させていた。第二の城壁がもうすぐ陥落し、最後の城壁を残す所となりつつあった。


「くっそー俺も早く指揮に戻りたいのに、下が信用出来ん奴らばかりとは情けない……」


「お、おい、向こうに凄い体の女戦士が一人でここら辺りまで突入して来て捕まったらしい。みんなの前で裸にしていたぶるらしいから、早く行こうぜ!」


「キリがねえなおい。なんだよ我が軍は野獣軍団かよ。こんなんじゃ我が国も先が思いやられるぜ」

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