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砂緒とユーキュリーネ……

今の舞台……ユティトレッド魔道王国にある魔道学園。


主人公……砂緒という転生主人公、ときどき女装してスナコちゃんになります。

 ひゅーーー

 スカートを中心に巨大な巾着袋の様なユーキュリーネが落ちてくる。


(うっ……仕方がない)


 セレネの敵対者とは言え、砂緒は自然に前に走り出しゲームの様に位置を微調整すると、両手を広げて身構えた。

 ぼすっ

 直後にタイムラグ無く砂緒の広げた両手にはユーキュリーネが落ちてきた。


「きゃっ!?」

「おっと。ユーキュリーネ一体何をしている?」


 腕の中に落ちてきた途端に、混乱の最中にも目の合った少年に名前を呼ばれて驚く生徒会長。


「あの、何故わたくしの名前を? 貴方は一体??」


 お姫様だっこをされたままの姿勢で思わず聞く。


「私はニナルティナの貴族でクレゴリー・ベック・砂緒という者。所用でユティトレッド魔道学園を訪問しておりました」


 すらすらと適当な事を口走る砂緒。


「ニナルティナの貴族? あの……その様な御方が何故私の名前を?」


 適当に無視していたのに、二度目の質問である。


「知らぬのか? 其方の美しさは近隣の国々に轟いておるぞ。学園に生徒会長ユーキュリーネ・カナルト・ヒューゴーあり、その名前を知らぬ男は居ない」

「えぇえええ!?」

(マジデッ!?)


 砂緒の適当な言葉を真に受けてユーキュリーネは度肝を抜いた。


「では……お嬢さんそろそろ降ろしても良いかな?」


 改めてユーキュリーネはお姫様抱っこという状況に赤面する。


「ま、まあっ! わたくしったら……どうぞ降ろして下さいましっ」

「では、しからば」


 たっす。

 砂緒が腕を優しく斜めにすると、ユーキュリーネの足先から地上に降りた。


(こんな殿方お会いした事が無い……蛇の様な目、何を考えているか分からない宇宙の深淵の様な小さき瞳……嗚呼、わたくしこの方の事をもっと知りたい……)


 あろう事か、ユーキュリーネは砂緒に一目惚れした。


「なんとお礼を言ったら良いか、貴方様は命の恩人ですわ……」

「そちは、ユティトレッド魔道王国王女セレネ殿と諍いが?」


 砂緒は彼女の感情や発言を無視し先程の決闘騒ぎを蒸し返した。


(ヒッヒィーーーーッ、やっぱり聞かれていたーーっ!?)

「そ、それはその……深い事情というか学園の秩序の為に……あわわ」


 しかし砂緒は深い憂慮の顔をした。


「セレネ殿と言えばその気性の激しさ火山の如しという噂、まことであるのか……」

「え、ええ、まさにその通りなのです! わたくしは致し方なく懲らしめる為に」


 どこまでも調子の良い砂緒であった。


「ふっしかし貴方の様な美しきレイディには魔ローダーよりもダンスがお似合いですよ」


 砂緒は歯を輝かせ不気味に笑った。

 キラッ


(はっはうわぁああああ!?)


 蓼食う虫も好き好きとは此の事なのか、何故かユーキュリーネのドツボに砂緒はハマった。幼馴染のラフィーヌに続き、またもやセレネと男が被ったユーキュリーネであった。


「どうされましたか?」

「ポッま、またお会いしとう御座います……い、いやーーーーーん恥ずかしいっ! おーーーーーっほっほほほほほ」


 激赤面したユーキュリーネは恥ずかしさの余り、とうとう挨拶も程ほどに両手で顔を覆いこの場から走り逃げ去ってしまった。しかし何故かいつもの癖で高笑いだけは忘れなかった。


「お、おいコラ!? ちょっと君、大切なユーキュリネイド忘れとるやないか」


 砂緒は足カックン状態のまま放置された白い貴族な機体を見上げた。



「ちょっと待ちくたびれたわ、何があったの?」


 しばらくして部室館から雪布留達がぞろぞろと出て来た。


「うお、これはユーキュリネイドじゃねーか!?」 

「生徒会長の奴が此処に来てたんか?」

「僕、決闘しろーって声がかすかに聞こえたけど」


 物凄い防音な部室館。


「安心して下さい、私が隠し剣・馬刺しで彼女を撃退しました。ユーキュリネイドは恐怖の余り放棄していった物です」


 砂緒は目を閉じて勝ち誇った。そこそこ嘘では無かった。


「隠し剣・馬刺しってにゃに?」

「それはヒミツです」

「ヒワイな事じゃ無いわよね!?」

「ヒワイな事ではありません」


 そうこうしている内にセレネが戻って来た……


挿絵(By みてみん)

お読みいただいてありがとうございます。

ブックマークおねがいします!!


設定5月12日更新

主人公3人

砂緒(すなお)  元現代日本のデパート建屋だったが、魂が発生し百年後に崩壊してセブンリーフに異世界転生して来た。硬くなる重くなる電気が出るなどの地味スキルを持つ。中程度の怪力で特に強く無い。気分次第で異常に完成度の高い女装スナコちゃんに変身する。またその場合ホワイトボードで文字会話する。


雪乃フルエレ  ヒロイン①【海と山とに挟まれた小さき王国】の 夜宵姫(やよいひめ) だったが家出して色々あってセブンリーフ大同盟の女王になってしまった。金髪の天使の様な美少女。魔導学園では 雪布留(ユキフル)と名乗る。性格は割と普通の女の子。


セレネ  ヒロイン②ユティトレッド魔導王国王女で髪の長い美少女だが異常に強い魔法剣士。最初嫌悪していた砂緒に猛アタックされフィアンセ同然になる。フルエレを女王に推挙した張本人。討伐部部長。魔呂学科の教官も務める。


ユティトレッド魔導学園関係者

ミラとジーノ セレネの子分兼大切な友達。

ユーキュリーネ・カナルト・ヒューゴー 生徒会長でユティトレッド重臣の娘。

ルシネーア 生徒会書記でユーキュリーネに心酔している。

リュディア・セリカ 魔呂学科生。元敵方トリッシュの市民で学園に推薦転校して来た庶民的な子。

ユリィーナ 魔呂学科生。剣の腕に覚えがある生徒。

熱血眼鏡女教師 一見清楚な女教師だが教育の為にはおかしくなる事も。

サトー スナコの隣の席の目立たない生徒。(非魔呂学科)

学園長 ユティトレッド魔導王国の現王でセレネのおじい様。立派な長い髭がある。

マイヤー 片眼鏡の才女で学園長(国王)の信頼できる部下。魔呂部隊も管理している。


ユ魔導学院関係者

ラフィーヌ・ビュートッエ 美形で真面目な熱血学院生でセレネの幼馴染、影が薄い。

アルピオーネ・マーチェラ 美形で少しキザな金髪青年。雪布留に接近しようとする。

ルンブレッタ・スーヴェテ 年齢より若く見え可愛い女の子の様な外見をしているがちゃんと男。スナコに一目ぼれする。

アスティ・ティーニ 長身で筋肉がある美形俺様キャラ。ルンを慕うが無視される。

蘭観・ファーラル 美形だが変人でメカや薬品好き。

教授 ダンディなイケおじで生徒を暖かく見守る。


仲間

依世(いよ)  雪乃フルエレの妹。 美柑(みか) と名乗り紅蓮と冒険者をやっていた。探していた姉、夜宵姫・フルエレと遂に再会したが喧嘩が絶えない。


猫呼クラウディア  東の地(中心の洲)クラウディア元王国の元王女。失踪中の兄猫名を探してフルエレ達の仲間になった。今は闇ギルドの頭目をしている。背の低いおしゃまな付けネコミミ少女。


兎幸  うさこ。リュフミュラン天球庭園の氷の博物館の館長。月で魔改造されて微妙に成長した。魔ローダーで補助機能になったり砂緒の女装に協力したりする心強いサポート係。


イェラ  元女戦士の褐色の背の高い美人。厨房で料理を作っている。麺料理屋台のチェーン展開するという野望を持つ。口数少ない性格だが砂緒の事が好き。


メラン 元魔導士の冒険者だったが、フルエレ砂緒と知り合い同盟軍の魔ローダー搭乗者になった。二人が居ない時は一応魔呂部隊の責任者となっている。ル・ツー千鋼ノ天に速き稲妻Ⅱと勝手に命名していた。


シャル  猫呼の部下闇ギルド員でボディーガード。腕がぐんぐん伸びる。

イライザ  喫茶猫呼店員。ぜんぜん意地悪く無い普通の子。

ニィル  イライザの兄で元浪人であったが砂緒セレネに拾われ新ニナルティナ軍幹部に。

有未レナード公  旧ニナルティナ王国の軍師だったが、ポンコツで無害だったので新ニナルティナの代表に選ばれた。雪乃フルエレ女王を盛り立て、東の地【神聖連邦帝国】との関係に悩む。

ジェンナ 元メドース・リガリァの女魔呂操縦者で同盟に帰順した。

カレン 元トリッシュ市民でゲリラ活動をしていた少女。砂緒の事が本気で嫌いだが現地妻呼ばわりされる。


ウェカ王子 ラ・マッロカンプ王国の王子。御幼少のみぎりに幼稚園留学生として出会った依世に一目惚れしたが、彼女の裏の仕事を目撃し魔法を撃たれ死に掛けてしまった。

メア ウェカ王子の理解者でセクシーなメイドさん。しつこいくらいに玉の輿をねだる。


芹沢老人 喫茶猫呼の常連の老人で行商をしていた。


まおう抱悶(だもん)  可愛い熊耳の美少女だが恐ろしい魔力を秘める。砂緒と知り合った関係で雪乃フルエレ女王と大同盟を組む事となった。


神聖連邦帝国(東の地・中心の洲)

姫乃ソラーレ 聖帝の娘で紅蓮の姉。雪乃フルエレと全く同じ顔声をしている。清楚な美女だが多少の武術の修行はしている上に魔力も高い。常に帝国と民の平安を願う聖女。


紅蓮アルフォード  【神聖連邦帝国】第二百十二代聖帝の息子。西の島、セブンリーフに単身まおう討伐を命じられて渡って来たが、美少女美柑(依世)と知り合い篭絡され、なかなか討伐する気が起きず、いつもブラブラしている。実は劇中一番強い人物だがなかなか本気で戦わない。爽やかでイケメンで真面目な風情に反し、実は人一倍女の子に興味があるムッツリスケベ。


瑠璃ィキャナリー  るりぃきゃなりー。神聖連邦帝国四旗機 桃伝説(ももでんせつ) の搭乗者であったが、紅蓮のサポートとしてセブンリーフに渡り行き倒れ、ウェカ王子に助けられ以降居候になる。かなり強い騎士だが、当地と故郷の間で悩む事になる。モデルは船〇リリィ。


貴城乃シューネ たかぎのシューネ、神聖連邦帝国重臣で主人公達と度々戦う。

猫弐矢 猫呼の兄(次男)でクラウディア王国現当主。父王である大猫乃主を失う。

猫名(三毛猫仮面) 猫呼の兄(長男)で国を飛び出し各地を放浪し三毛猫仮面となる。七華を狙うも砂緒に敗れ各地を転戦、今はまおう軍に所属しスピネルと名乗る。


大猫乃主 おおねこのぬし、猫名・猫弐矢・猫呼の父親でクラウディア王国前王。神聖連邦帝国に降伏時に退位し、千岐大蛇退治の時にル・ツーと共に深い海に沈んで泡となって完全に消えた。


魔法メカ・ロボット

魔ローダー  全高25Nメートルの騎士の鎧、プレートアーマーをそのまんま巨大化した様な、魔法力で動くロボット。魔法や物理等殆どの攻撃が効かず、魔ローダーの魔法エネルギーが乗った剣攻撃しか効かない。


蛇輪、日蝕白蛇輪  へびりん、ひばみはくじゃりん。砂緒とフルエレとセレネが交代で乗る主役機。劇中唯一の複座型で、表面は鏡の様なテカテカのメッキ調の銀色で、装甲各所に金色の華麗な装飾が施され非常に成金趣味な見た目をしている。頭部に蛾の触覚の様な巨大な二本の角があり、背中にはド派手な巨大な羽を背負い鳥型の飛行形態に変形出来る。実は砂緒の前世の前世、【等ウェキ玻璃音大王】が、ル・スリー白鳥號を参考に真似して作った機体。両手の尖った爪で突き刺した対象からスキルや能力をコピーする事が出来る。また砂緒の能力で巨大化したり強力な雷攻撃を発したりも出来る。


ル・スリー白鳥號  はくちょうごう。【まおう抱悶】の先祖である【王永嶋フィロソフィー王】が搭乗していた純白の機体。蛇輪に似ているが、よりヒロイックな形状をしている。古代にクラウディア王国で建造された。今は 【千岐大蛇】(チマタノカガチ) 退治の時に紅蓮が偶然入手し扱いに困惑している。劇中最強の機体で数々の魔ローダースキルが隠されている。かつてセレネと砂緒が制作させた【最強の魔法剣】を偶然所有しているが、標準装備の【魔法の刃の剣】も使用出来る。


ル・ツー千鋼ノ天  る・つーせんはがねのてん。猫呼の実家、東の地(中心の洲)【クラウディア王国】の旗機であったが、【神聖連邦帝国】に服従した時に彼女の兄【猫名】が乗り逃げしてしまった。その後【三毛猫仮面】と名乗った猫名がセブンリーファで暗躍して搭乗していた。その後雪乃フルエレに負け鹵獲され同盟の副将機となっていた。濃い紺色の機体に頭部に長大な一本角があり全身が鋭角的に尖っている。


一般機体

XS25 学園生徒達が授業で乗る最弱機体。

SRV 同盟の量産型機で青や赤、緑などの派手なツヤツヤ塗装。

SRV2ルネッサ 王女セレネ用カスタム機体。

SRX 同盟軍次期量産用試験機。


ユーキュリネイド 生徒会長ユーキュリーネの家に伝わる純白の貴族な機体。

ゴレムーⅡ 書記ルシネーアの家に伝わるそれなりな機体。目立たない様に茶色い。

VT25スパーダ かつて伝説の等ウェキ玻璃音大王が若き日搭乗した百年前以上の機体。


謎の不審機・鮭 魔呂実習中に乱入して来た謎の機体。通常の魔呂の1・3倍程の巨体で全身銀色の流線形をしている。フルエレが赤いライン模様を見て鮭の切り身みたいだと言ったので、以後シャケと呼ばれる。


アイテム

魔輪 まりん、魔法力で動くオートバイ。凄く静か……

魔ァンプリファイヤ 魔呂や魔輪、魔戦車などあらゆる魔法乗り物の中枢魔力増幅機関。魔呂のは超巨大で稀にスキルを持つ物が生まれる。破壊されるとスキルは消えて修復不能。

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