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フルエレ復活 中 金髪美少女大ジャンプ①

「女王陛下、どうぞお考え直しをっ!」

「大変あぶのう御座います!」

「女王陛下っ!」


 雪乃フルエレ女王が白いドレス姿のままセレネの魔輪に跨った途端に、侍女三人掛かりで荷懸けフックを掴んで彼女を行かせまいと必死に車体を押さえた。


「離して頂戴、今までこんな事がいっぱいあったの! だけどその都度上手く行って来たのよ、離しなさい、離さないと貴方達全員クビよクビ!! 女王の命令よ」


 首と連呼されても侍女達は仮に女王を行かせて、結果自分達の現実の首が飛びそうで必死に車体を握った手を離さなかった。


「離せーーっもうっ!」

「離してあげて……行かせてあげよう……うくっ」


 声がして振り向くと大怪我を回復魔法で応急処置したセレネだった。


「セレネ貴方大丈夫なの??」

「……大丈夫です。フルエレさん、今砂緒は必死に貴方が来るのを待っている。フルエレさんが行かない限りは始まりません」

「しかし大変危険です!」


 侍女も引き下がらなかった。


「全ての責任はあたしが取ろう。どうか許してやってくれ」


 セレネは侍女達に頭を下げた。


「大丈夫だ、フルエレならさ」

「有難うセレネ、シャル。じゃあ行くわっ!」


 ブウンブウンという音こそしないが、フルエレはアクセルを激しく回転させた。


(もし……フルエレさんが光の剣に当たってやられてしまう様な運勢の人間なら彼女もこの同盟もそれまでの事さ……その時は再びこの命、真っ先に同盟の為に捧げよう)


 セレネは発車寸前のフルエレを静かに見守った。


「おいセレネ、さっき抱悶(だもん)ちゃんがお前の事血相変えて探してたぞ! なんか置き去りにしたとかで許せんとか」

「え? イェラお姉さまそれは誤解です! 置き去りにしようと言ったのは砂緒ですから!」

「マジカ……最悪な奴だな」


 イェラは冷や汗を流して状況を見回した。



「シューネさま、新型機逃走開始しています! とどめを刺されないのですか?」


 後ろ姿を見せてぎこちなく歩きゆくSRXを目ざとくフゥーが告げ口した。


「フゥーくん、もう良いじゃないか。あの機体は壊れている」


 言った猫弐矢(ねこにゃ)とまた睨み合いとなった。


「フゥー有難う。でもあの両腕を失った機体は事実上降参を受け入れたも同じ事。もはや敗者を殊更打ち据える必要性はないな」

「は、はぁ出過ぎた真似を致しました」


 フゥーはペコリとお辞儀をして、低い角度からギロッと猫弐矢を睨んだ。


(この子怖い子だな……)


「さてどうするか、最後の障壁は去った。速やかに実剣にて銀色を潰す! 例え光剣が弾かれるとしてもなっ!」


 貴城乃シューネは実剣を握り直し、魔法剣にして両手で構えた。


『砂緒さま、敵機やる気です。こちらも立ち上がります!』

『頼む』


 スナコは魔法モニター上のフルエレの動向を注視しつつ蛇輪を立ち上がらせた。


『砂緒さま、フルエレさま魔輪で走り出しましたっ! こちらに向かっています!! 如何致しましょうか?』

『じっとしててくれれば迎えに行くのに……きっとフルエレは一刻も早く行かなければダメだと思ってああしているのでしょう。彼女のしたい様にさせてあげましょう、それが私の役目です』


 奇しくも砂緒とセレネは同じ境地に達していた。


『敵機、剣を構えて襲って来ます!』

『ギリギリまでフルエレの事を感付かれ無い様に、受け流し続けます。魔力放出頑張って下さい!』

『ハッ』


 バシィッッ!!

 金輪の魔法剣を砂緒の雷を纏った本家魔法剣が受け止め、横に受け流す。

 カキーーン、カコーーン!!

 さらに次々とシューネは剣を繰り出すが、蛇輪は全て本気で打ち返す事は無く、のらりくらりと交わし続ける。


『フルエレは??』

『ハッ、何かの条件を探してウロウロ周回していますね……』

『まさか……此処に来るだけじゃなくて、ジャンプでもする気なのでは……』

『近くに走って来ただけで手で掴めるのですが……わざわざジャンプなどしなくとも……』

『彼女がジャンプしたいならさせてあげましょう』

『はぁ……』

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