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反撃! 下 倒れ行く仲間達……①


 ―少し時間を戻す。ザ・イ・オサ新城広場、地下空間。


「よし衝撃土竜(ジェットモグラ)、最後の一押しだぜっ!!」


 衣図ライグ配下の筋肉隆々の魔導士が真上に向けて回転する奔流を放った。

 ドリュドリュドリュ……ガラガラガラ


「やったぜっ突き抜けたッ!!」


 配下の筋肉男達が歓声を上げた。


「どうだ行けるか?」


 砂緒が上を見上げた。


「あーこれ蛇輪の股間の部分ですねえ」

「よし、じゃあそっから横向きに掘り進めようぜっ!」


 衣図ライグが指示しようとしてスナコが慌てて止めた。


「止めて下さい。そんな事をしたら蛇輪の重量で落盤しかねません。今度こそ間違えませんので真下から再掘削です」

「へいへい。所で砂緒、お前その外見良く出来てるじゃねえか? マジで見た目だけは女の子みたいだよな~ちょっと触っていいか?」

「駄目ですよ殺しますよ。私はそっちの趣味は一Nミリもありません。私は可愛い女の子にまみれて生きたいんです」

「ほほぅ? 頑張れや」


 等と話している間に、しばらくして一団はようやく蛇輪の操縦席の真下に到達した。

 バシャッ!!

 待機電力ならぬ待機魔力用の蓄念池でハッチが開き砂緒が早速乗り込んだ。


「あの~~フルエレが居ない今、魔導士が居ないと蛇輪が動かないのですが」


 スナコが不安気に言うと、一人の筋肉男が前に歩み出て白い歯でにかっと笑った。


「オレが居るじゃねえかっ!」

「誰ですか?」

「嫌だなあ、ライグ村が最初に魔戦車を入手した時に動かしてた義勇兵じゃねえかっ!」


 筋肉男はウインクして指を立てた。


「……そんな人居ましたっけ? 不気味です止めて下さい」

「おおっお前がやってくれるかっ! 取り敢えずフルエレ嬢ちゃんが来るまで頼むぜっ!」


 衣図ライグがドンと背中を押して、壁面に突き刺した縄梯子を伝って登り操縦席に入り込んだ。


「う~ん、いろんな子と蛇輪に乗りましたが、まさか名も無き筋肉兵士と乗る事になるとは。結構キツいですよコレ、容易に死にますよ大丈夫ですか?」

「やってみるさっしかしアンタ本当に砂緒か? 良く出来てるな~ちょっと触っていいか?」


 衣図ライグに続き部下にも同じ事を言われ、辟易して砂緒は上の操縦席に移動した。

 パチッ

 砂緒は七華から受け取ったヘッドチェーンの大きな宝石を蛇輪のパネルに嵌めた。


「まずは動かないで魔力だけを込めて下さい、周囲の状況を確認します!」

「ほい来た!」


 低級魔導士とは言え、各種魔法センサーや魔法カメラを稼働させるだけなら名も無き筋肉兵士にも難なく出来た。

 パシッ! 

 砂緒の座る上の操縦席の魔法モニターに周囲の状況が映った。主に後頭部のサブ魔法カメラによる映像だ。空中に浮かぶ金輪三毛猫スペシャルに巨大な光の輪、転がるSRVの残骸、状況は良く無かった。


「うっ何ですかありゃ? えらい戦闘が始まってますね、セレネさん大丈夫ですかあ? どうしましょう……不安定な魔力で立ち上がってもいきなり撃破されると意味が無い……」


 砂緒は蛇輪が光の剣を弾き返した事を知らない。


「すいません!! まだ砂緒様はいらっしゃいますか??」


 そこに地下からライラの大声が響く。


『はいはい此処にいますよ~~』


 魔法外部スピーカーの音で返事が。


「良かった! フルエレ女王陛下地上で待機中です!! 此処にお連れしましょうか?」

『いや、それより貴方は魔力ありますか?』

「魔法は使えませんが、鎌に魔力を込めて打撃力に使っていますが……」

『おおお十分です! 早速乗り込んで下さい。筋肉は今すぐ降りなさい!』

「は、はい?」

「え~~そりゃないぜスナコちゃんよぉ、俺の魔戦車以来の大活躍」

『良いから早くっ!!』


 いつも不真面目な砂緒の切迫した大声で慌てて二人は交代した。


「乗り込みましたっ!」

『ハッチ閉鎖、周囲を再び確認します。きついですが頑張って下さい。操縦は全て私がします』

「は、はい陛下の位置はお伝えします!」


 いつになく真面目な砂緒だった。



「うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃ!!」


 ドウドウドウッ!!

 メランのル・ツーが上空の金輪に向けて魔砲ライフルを乱射し、戦場に一瞬の隙が出来た。


『今だっ! 蛇輪起動!!』


 ヒュイイイイイイイインン

 ぐぎぎぎっとぎこちなくゆっくりと上半身を上げた。しかしメランに気を取られたシューネは気付いていない。


「舐めるなっ!!!」


 ドシュドシュドシュ!!!

 滅多やたらに光剣を乱射し、兎幸の魔ローンは防戦一方だった。

 カカッカカカン、カンカンカン!!


「痛いよっ!!」

『耐えてっ』


 ドーーーン!! ドォーーーン!!

 しかし立て続けに魔ローン二機が破壊された。魔法剣よりも魔ローンの盾の方が光剣には相性が悪かった様だ。それに万能に見える魔ローンにも兎幸(うさこ)が痛みを感じるという決定的な弱点があった。


「キャーーーーーー!!」

『兎幸ちゃん!?」


 メランは冷や汗を流しながらもさらに突撃を継続した。

 ドンドン、ドンドン!!


『メランさんっ! 兎幸先輩!! 今助けますっ! 王子動くなっ!!』

『ウェ??』


 叫んだ直後、助走を付けたセレネがウェカ王子のSRXの肩にピョンと飛び乗りそのまま五条大橋の牛若丸の様に勢いのまま大ジャンプをした。


『覚悟っおりゃああああああ!!』


 ピーーッ

 警告灯が鳴り、猫弐矢(ねこにゃ)が思わず叫んだ。


「シューネ後ろだっ!!」

「分かったっ!!」


 猫弐矢の叫びに急ぎ振り返った金輪(こんりん)は、そのまま魔法剣を振り被って飛び掛かるセレネのSRXに光の矢を降り注いだ。

 サクサクサク!!

 セレネのSRXは全身に光の剣を受けて落下した。


「あっしまったセレネくん!?」


 思わず猫弐矢は苦虫を噛み潰した顔をした。

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