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第三幕 戦火の嵐 下 二人の女王、激突② エリゼ玻璃音女王

「ウチもや~~~握手あくしゅ」


 という訳で二人は笑顔で仲良く握手をして瑠璃ィキャナリーは舞台を降りた。


「どうだった瑠璃ィ(るりぃ)? フルエレ女王陛下ってどんな御人なんダ?」

「やっぱよー似とったわ~~瓜二つやー」

「え、ダレにです??」


 メアは怪訝な顔をした。


「そりゃ依世ちゃんに決まってるだろ~がっ!」


 ウェカ王子がメアに激しく突っ込むと、大きめの胸にポヨンと当たった……


「あっ」


 等と言っている間に舞台は変転していた。


 ―中部セブンリーファ後川流域北側、サ・ガ地域メドース・リガリァ本城。


「ぐぬぬぬぬぬ、なんたる事じゃ! このわらわを差し置いて新ニナルティナの雪乃フルエレとか申すポッと出のどこの馬の骨とも分からぬ者がちやほやされておるそうな。偉大なる等ウェキ玻璃音大王以来の名門、このエリゼ玻璃音女王を差し置いてセブンリーフで女王を名乗るとは傲岸不遜にも程があるわっ! 身の程知らずの愚か者めがっ」


 ガシャッ

 舞台上でエリゼ玻璃音役は本当にグラスを叩き割った。何を隠そうエリゼ役はリズが演じていたが、貴金属をジャラジャラ付け、濃い化粧をするその姿は異常にハマリ役となっていた。しかしこの姿を見て彼女の実像を知る猫呼は大変心を痛めたが兄猫名の事情があり何も言えなかった。


「女王さまお静まりを……」

「ええい、貴嶋はどうした? 貴嶋を呼べいっ!」

「ははーーっ此処に」


 リズ演じるエリゼ玻璃音女王に呼ばれて、貴嶋役の衣図ライグが出て来た。夫婦で、〇波〇乃 中〇彬みたいな扱いになっていた。


「お、おいおいお前の発言を鵜呑みしたら、お前の前世の前世の子孫かも知れん連中にえらい冷酷というか容赦ない演出だなあ?」


 舞台袖でセレネがスナコちゃんにこそっと聞いた。


『ええ、前世の前世とか気にしない主義なので。今はセレネさんとの愛だけに生きる男だとお思い下さい』

「その姿で全力で言われてもキモイわ」

『分かりました今度砂緒に戻った後にも同じ事を言います』

「いいわいらんわ、恥ずかしいわ」


 ―舞台に戻る。


「本当に雪乃フルエレをギャフンと言わせれるのじゃな?」

「お任せを。とある筋から大量の魔ローダーを入手し、現在我が軍は戦力を大幅増強しております。この力で一挙にセブンリーファ後川流域の国々を征服してみせましょう。その後はくっくっく」

「おうおうおう、気を持たせるのお。早うわらわを喜ばせるのじゃほほほほほ」


 またまた舞台袖でセレネがこそっと囁いた。


「おいおいとある筋ってどこだよ? 今じゃココナツヒメからのまおう軍経由って判明してるんだからな。折角成立したまおう軍との我が大同盟に波風立たせるなよ」

『セレネさん反対派だったでしょ? 急に何心配してるんですか……』


 セレネは少しムッとした。


「元反対派でもな、一旦成立したもんはフルエレさんの為に全力で守るんだよバーカ」

『私はバカバカ言われても快感なだけですが、普通の人には行っちゃダメですよ』

「お前以外にこんなにバカバカ言わんわバーカ」

『兎に角、とある筋って言ってるだけでまおう軍とは決して言いませんよ。それにご安心を、良く見て下さい抱悶ちゃんはかなり最初の方で飽きて寝ています』

「お前が自信まんまんに飽きて寝てるとか言うなよ。かなり問題発言だろ」

『多分、セレネさんの演技に問題があるんでしょうな』

「お前の話に問題があるんだろがっ」


 等と言っている間に舞台は再び新ニナルティナ女王仮宮殿に戻っていた。


「はぁはぁ……フルエレ女王陛下大変です。セブンリーフ中部のメドース・リガリァが一方的に周囲の小国に戦争を仕掛けています」


 大急ぎで走って来たセレネがフルエレに報告した。


「なんてこった、旧ニナルティナを皆で倒したと思いきや、旧ニナが消えた力の空白を利用して領土を拡張しやがるとはな」


 有未レナードが顎を触りながら悩み込んだ。


「フルエレさん早速介入しましょう!!」


 セレネが雪乃フルエレ女王に掴みかかる勢いで提言した。


『ちょっと、まだフルエレは何も言っていないわよ、ちゃんと話を聞いて』


 そのセレネを引き剥がしてスナコちゃんが雪乃フルエレを庇った。スナコちゃんだけは常にフルエレの忠実な味方である。


「有難うスナコちゃん。セレネ、もうちょっと様子を見て待ってみようと思うの。折角平和になったばかりの新ニナルティナなのにいきなりまた戦争はどうかと思うの……」


 この辺りは史実に忠実だった。


「そんな事言って、戦火が此処まで広がってからでは遅いのです!!」

「ま、まあ出来たばかりの女王陛下の新体制だ、いきなりその陛下に歯向かうのはどうかな、セレネ王女よ」


 今度はレナード公が止めに入った。


『そうよそうよ』

「二人してそんな風にあたしを悪人扱いする!! 皆のバカァーー」

(あたしゃこんなひがみっぽいか??)


 多少の疑問を感じつつ、セレネは泣きながら走って行った。


「あらあらセレネは子供ねフフ。でも二人共私の話を聞いてくれてありがとう」


『それからしばらくの月日が経った時で御座います』


「た、大変だっ!!」

「どうしたのレナード公さん?」

「メドース・リガリァがとうとう我が同盟のユッマランドに攻め込みやがって、ミミィ王女と侍女のリナさんって子が戦死しちまった……」


 雪乃フルエレ女王はしばし言葉を失った。

タイトルに追加したとおり10万PV達成しました、有難う御座います。


今後もどうぞ宜しくお願いします。

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