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雌伏のじっ、ジークフリード 下 決着、遂に仲間に! ②


「貴方は水戸〇門ですか?」

「なんだよ、結局全部ユッマランド王が解決したんじゃねーか、砂緒あたしゃ恥ずかしいよ」

「安心なさいセレネ、貴方の恥ずかしい部分はもう既に私が全部見ました」

「平気で嘘付くなお前……」

「あの、王様結局じっちゃんさんはどうなるのでしょうか?」


 砂緒とセレネを無視し、フルエレが聞いた。


「ふむ、長期間投獄するかは兎も角、まずは逃亡兵として厳重な取り調べは必要じゃな。ですなロミーヌ王よ」

「うむ……」

「そんな」


 その時、突然何処からか持ち出した麦わら帽子を被った砂緒が、すっとアネーロの前に立ちはだかって大声で叫んだ。


「お前、俺達の仲間になれー!!!」

「ナン・だってーーーーーー!?」

 

 猫呼やセレネ達は大声で驚いた。


「……」

「そうだな操縦者は一人でも必要だ……同盟軍魔呂部隊に入らないか?」


 ジェンナの例もあり、セレネは仕方なく砂緒に合わせた。


「断るっ絶対に嫌だね!!」


 しかしジークフリードはきっぱりと断り首を振りまくった。


「そんな折角こんな形で再会したのに……何かの運命かと思ったのだけど」

「フルエレ……」


 猫呼が声を掛けた。天使の様に美しいフルエレが悲しがる顔を見てジークフリードの決心は少し揺らいだ。


「な、泣くなよ……」

「それじゃあ?」

「それじゃあ……こ、こんな俺でも良いな……」


 ジークフリードは少し恥ずかしそうに仲間になりたそうな顔でフルエレを見た。


「そう……じゃあ仕方ないわね。そこまで頑なに決心してるなら、貴方の事はきっぱり諦めるわっ!!」

「へっ?」


 心がグラつき掛けたジークフリードの言葉を遮る様に、フルエレは食い込み気味に早急に結論を出した。


「フ、フルエレさん、今ヤツは受け入れ掛けて……」

「セレネさんや、皆まで言うでないぞ。ああいう時のフルエレは内心結論が出ておるのじゃ。ちょっと皆の前で聖女の如く心が広い振りをしたかった乙女心を分かってやりなされ……」


 砂緒は自分の名前を決め付けた時のフルエレと同じ雰囲気がしたのを感じていた。彼女はじっちゃんを仲間にしたく無い、それが結論なのだろう。


「王様、とても悲しいけど彼を丁重に厳重に捕縛してあげて下さい……」


 フルエレは割とサバサバとして王様にお願いした。


「お、おい!? 俺今受け入れ掛け」

「ふむ、仕方無い、ひっ捕らえい!!」

「ハハッ!!」

「くっそーーー覚えてろ雪乃フルエレ! これで勝ったと思ふごっ」


 じっちゃんことジークフリードはSRV部隊に捕縛されて叫びながら連れられて行った。


「あの人は私を襲った連中の仲間よ、そんな人絶対に仲間にしたくない!」


 じっちゃんが去った後にフルエレは小声でぼそっと言った。


「聖女や天使の様な外見なのに実は根に持つタイプのフルエレにますます好感を持ちました。じっちゃんなど仲間にしようとしてすいませんでしたね」

「………………」


 フルエレは複雑な顔をして何も言えなかった。


「そこの君! 確かナリ君と言ったか、凄く良い腕をしているね?」

「まさか貴方は?」


 フルエレが少し悲し気な顔をした。


「はい、御察しの通り侍女のリナの弟で御座います。姉が大変お世話になりました」


 再びナリが深々と頭を下げて、一同複雑な思いになった。


「ユッマランド王さま、ミミィ王女殿下と侍女リナさんの事、本当にお詫びします」


 雪乃フルエレ女王が一味を代表して頭を下げた。


「お止め下され! 誰の責任でもありませんぞ。それよりもこのナリ、我が情けない息子共などよりも余程役に立ちますぞ! もし何か用があれば自らの部下の如く自由に呼んで下されい」

「なんなりとご用命を」


 王様の言葉に同調して再びナリは頭を下げた。


「ありがとうね」

「フルエレ、これは良い仲間が手に入りましたな」

「ええっそうね、よろしくね」


 フルエレがにこっと笑うと、それまで無表情だったナリはハッとして激しく赤面して顔を伏せた。


「そうだ仲間っていやあ、珍しい顔を見たなあ~七華と砂緒にそっくりの顔の男なんだが」


 衣図ライグが顎に手を当てて、即刻退去を迫られてる身分の癖に他人事の様に呟いた。


「なんですと!?」


 砂緒はようやく目的に辿り着いた気がしていた。


「砂緒にそっくりな男だってえ??」

「不思議ねえ」

「そういやあ、他にも眼鏡を掛けた優男で、猫呼ちゃんみたいなネコミミを付けた変な男もいたっけかなあ?」

「にゃにゃっ!?」


 衣図ライグの言葉に猫呼の付けネコミミと付け尻尾が激しく反応してピクピク動いた。ちなみに付け尻尾はクラウディア王国人の義務では無く、任意である。

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