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『ルシアーーーー!!』

『サッワちゃん、早く走るのよ、結界兵器の外へ!!』


 と、ココナツヒメがサッワとジェンナに走る事を促した直後だった、その目の前の先にストッと蛇輪がひとっ飛びでジャンプして来て、立ちはだかった。


『誰が逃すか!!』


 ガキーーーン!!

 ココナツヒメのル・ワンの剣と蛇輪の魔法剣がかち合った。セレネの氷の魔法剣は鍔迫り合いをしただけで相手の剣を粉々にするだけの威力は無かったが、剣の腕自体はセレネの方がかなり上だったため、すぐにココナツヒメのル・ワンが押されて不利になって行く。

 カキーーン、ゴキーーーン!!

 セレネは笑みを浮かべながら右に左にル・ワンの剣を揺さぶっていたぶった。


『前々から薄々感じていたが……半透明、お前実は弱いだろっ!』

『くっ』


 セレネの言葉通りどんどん不利になって追い詰められるル・ワン。


『ココナツヒメさまーーーーーっ!!』


 そこにサッワのレヴェル一号機が大剣を振り回して蛇輪の背中から襲い掛かる。が、セレネは後ろに目でもある様に、びゅんっと背を低くして大剣を避けると、そのままル・ワンに切り掛かり、同時に後ろに蹴りを入れてレヴェルを吹き飛ばす。

 ドシャッ!


『ぐはっ』


『セレネさまっ!』

『SRV、お前達は手を出さんくて良いぞ、こいつらが結界くんの範囲外に出ない様にだけ囲んでれば良いからなっ!』


 カキンカキンコキン!!

 セレネは話しながら、サッワの大剣とココナツヒメの細い長剣を同時に対等に相手をして行く。実際にセレネや紅蓮、瑠璃ィキャナリーの様な常人離れした強い連中と比べると、ココナツヒメは超絶的に強い訳でも何でも無かった。なんと言っても彼女は魔法使いであり剣士では無い。


『わたしも居るんだーーーーっ!!』


 セレネ一人に苦戦している二機を救う為に、ルシアの戦死に一瞬たじろいでいたジェンナがセレネに斬りかかろうと走った。

 カキーーーーン!!


『お前の相手は私です』


 ジェンナの剣がセレネに襲い掛かろうとした瞬間、砂緒のル・ツーの剣が受け止めた。兎幸に魔ローンの盾でのゴーレム兵排除を専念させ、セレネを救う為に走って来たのだった。


『余計な真似を! 今SRVに手を出すなって言ったトコなんだぞ!』

『大好きなセレネの事をほっとけますかいな!』


 しかし砂緒はセレネの言葉を無視して、素早く激しく剣を振り回し、どんどんジェンナを追い詰めて行く。以前は常人より剣技が弱かった砂緒だが、毎日のイェラとの特訓の成果か、前世の前世の実力が継承されたのか分からないが、確実に強くなっていた。

 カンカンカン!!


『くっこんな事ではお二人のお役に立てない!!』

『ジェンナ無理をするなっ! ここに来たシャクシュカ隊Ⅱはお前で最後なんだぞ!』


 サッワが叫んだが、次第に追い詰められたジェンナのレヴェルは遂に剣を飛ばされた。


『きゃあっ!』

「うはっ勝てそうですよ」

「砂緒さん凄いです!」


 またもやメランが砂緒に抱き着いた。


「……メランってだぼっとした魔導士服で分かり辛いですが、結構おっぱいあるんですね」

「……一瞬で幻滅しました」


 メランはぱっと離れた。


『これで死ねっ!』


 砂緒は上段からレヴェルの肩に斬りかかったが、その瞬間横からサッワが大剣を間に挟み入れル・ツーの剣を止め、剣先が肩に食い込んだだけでジェンナの操縦席の破壊を防いだ。それも砂緒がメランの胸の膨らみに反応した為に一瞬の隙が出来たからだった。

 ドボンッ!!

 しかし機体全体の爆散は免れたが、何かの誘爆でいつぞやのサッワの様に機体外に投げ出されるジェンナ。彼女はスローモーションの様に空中にフワリと飛んだ。


『ミミィリナの仇、死ねっ!』


 躊躇無く砂緒が食い込んだ剣を抜き、飛ぶ女を斬り裂こうと振り上げた。


「ダメーーーッ!!」


 途端にメランが操縦桿にしがみ付き固定し砂緒の邪魔をした。


「貴方は昔のフルエレですかっ? 萌えました」

『危ないっ!』


 パシッ!

 直後にサッワのレヴェルの大きな掌がなんとか落ち行くジェンナをギリギリでキャッチして自らの操縦席に素早く収納した。今度もメランが砂緒の操縦桿を邪魔しまくったからだった。知らず知らずの内に二度もジェンナの命を救ったメランだった……


『お、おめおめと生き延びてしまい……申し訳ありません』

『いいんだ! 生きてて欲しかったんだ』


 サッワは優しく語り掛けたが、その直後ココナツヒメの叫び声が上がる。


『ギャーーーー!!』

 

 ドシュッ!! ドンッ!!

 サッワがジェンナを救う為にココナツヒメの支援が出来ず、彼女一人でセレネと戦う事になった直後にル・ワンの首が飛んだ。正確に言えば飛んだというよりも氷の魔法剣が突き刺さった瞬間に首の上から先が破裂して消えた。


『おらっもう終わりだなっ半透明!』

『しゅ、主魔法カメラが飛んだだけですわっ!』


 ココナツヒメはフラフラと少し後ろに下がったが、それ以上はSRVの輪に囲まれている為に下がれなかった。


『ココナツヒメさまーーーっ!!』

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