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魔ローダー特殊スキル回復(弱)!!


 煙幕で何が起こっているか全く見えない砂緒は、精神集中が出来ないくらい、セレネの安否が気がかりだった。


「見えた……美しい少女か……致し方ない、御命頂戴いたす!!」


 スピネルは早くココナツヒメに加勢する為に、さっさとこの娘に止めを刺そうとズリズリ動くセレネに、魔ローダーの巨大な剣を振り下ろそうとした。

 ズシンズシンズシン……ズシャズシャズシャ……ガシャガシャガシャガシャガシャ……


「む? 何だ??」


 スピネルが煙幕の中、不審な音が接近するのに気付いて動きを止めた瞬間だった。


「どおおおおおおおうううううううえええええいいいいいいん!!!」


 バキャッ!!

突然黒い塊が、高速で突っ込んで来て、スピネルの魔ローダーの背中からドロップキックを決めた。


「があああああああ!?」

「ヒィーーーーー!!」


 大声を上げるセレネの上を飛び越えて、スピネルのデスペラード改がぶっ飛んで行く。

 ズシャッ!!

デスペラード改は顔から地面に激突して、恥ずかしいポーズのまま再び動かなくなった。


「速き稲妻Ⅱ、メラン見参!!」


 濃い色の魔ローダー、ル・ツーの修理が終わった直後から海の中を泳ぎ、島に上陸して走って来た魔導士少女メランの改名した魔ローダー・速き稲妻Ⅱだった。


「セレネさん大丈夫ですか? じっとしててね! 魔ローダースキル回復(弱)!!」


 メランの乗る速き稲妻Ⅱが、倒れて動かないセレネを巨大な掌で包み込むと、掌が真っ白く光った。

 シュバッ!! キラキラキラ……

セレネの身体も白く光り、白いキラキラ粒子がくるくる回転しながら落ちていく。


「あ、あれ……怪我が、疲労が消えた!?」


 セレネが立ち上がり、自分の掌をくるくる回転させ、回復に驚く。


「次はニ十分後ですから! 気を付けてね!!」

「こら、手の内を晒すな!! あ、ありがとうございます……」


 まだまだ混乱しているのか、ちぐはぐな事を言い放つセレネ。しかしメランが言う様に身体の方は確実に回復していた。


「なんやなんや?? 味方なんやな?? 回復出来るんか??」


 カキーーーン! カキン、カキーーーン!!

ココナツヒメのル・ワンと激しい剣の戦いを繰り広げながら、瑠璃ィは思わぬ増援に喜んだ。その間もココナツヒメは数度瞬間移動を使用したが、その度に瑠璃ィは寸でで体をかわし、致命傷を防いでいた。


「セレネさまーーーーっ!! ご無事ですか!?」


 倒しても倒しても沸いて出て来るゴーレム掃討を切り上げ、青いSRVが神殿の円形劇場にやって来た。


「お、もう一機味方がやって来たんか? これで実質三対一やんか! ええでええで、今度はこっちが半透明をなぶり殺しにする番やな!!」


 瑠璃ィの蛇輪と、メランの速き稲妻Ⅱそして一般兵のSRVは、じりじりと距離を詰めココナツヒメのル・ワンを取り囲んだ。その時だった。

 グキーーーーン!!!

突然ル・ワンの肩がグキッと下に沈み込み、ル・ワンが足をふら付かせる。


「ぎゃーーーーーーーーーーっ!!!」

 

 思わず自らの肩を押さえ、大声で叫ぶココナツヒメ。


「へ? なんや??」

「何なの??」

「?」


 魔ローダーに乗る人々も、見ていた人々も全員が「 ? 」だった。それもその筈、恐らくメランが割って入った事でセレネが助かったと推測した砂緒が精神集中を再開し、全身全霊を込めた硬化した拳でココナツヒメのル・ワンの肩を思い切り叩き潰した結果だった。


「よし、スケベ野郎、透明化を解け!!」

「はあ?」

「早くっ!!」

「ちっ、どうぞ」


 クレウが指を動かすと、砂緒の透明化が解けた。そのままズシャッと地面に落ちる砂緒。すぐさま再び大急ぎで拳を硬化させると、今度はル・ワンの親指の辺りを思い切り潰した。


「ぎゃーーーーーーーー!!」


 今度は片足を上げてピョンピョン飛び跳ねるル・ワン。


「なんかセコイけど効くでしょう。おおおーーーいい!! 瑠璃ィ、乗せて下さい!!」


 地面で手を振る砂緒を、蛇輪の魔法カメラが捉え、魔法モニター上にパシャッとピックアップする。


「お、彼氏さんが激しく手を振ってる??」


 瑠璃ィの蛇輪が走り出すと、ソフトボールのアンダースロウの様なフォームで素早く砂緒を拾い上げ、操縦席に戻した。


「おっかえり~~~彼氏さん! もう一人の透明さんはどこに?」

「知らん。奴なら踏んでも良いです。よーし思い切り戦いますよ!! 変形です!!」

「変形やて?」


 瑠璃ィは戸惑った。

いつも読んでくださってありがとうございます。

瑠璃ィの魔呂が剣を持っていた事に修正しました。

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