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討伐部部長、長い髪の美少女の戦い


「ほ、本当だわ、何か生えてる……けど見れないわ」


 巨大な魔ローダーが、自分の尻尾を追いかける犬の様にくるくる回る。遠くから見ている人々は異様な光景に全員頭にハテナの疑問符が浮かぶ。


「雪乃……羽根の事は……後でじっくり調べましょう……」

「で、でもすっごい気になるし、飛べれば戦闘でも有利だよ、えいっ」


 今度はその場でピョイーンと飛んでみるが、以前と全く同じで飛翔する事は無く、ただただジャンプするだけだった……


「ね……飛ぶ事は忘れて……竜退治に専念しよう……」


 集中力が切れた幼稚園児の様に、なんとか現実から逃避しようとする雪乃フルエレを、保母さんの様に優しく必死に戦闘に引き戻そうとする兎幸(うさこ)だった。



 ニナルティナ港湾都市最西面、ここまでもドラゴン達が暴れていた。避難誘導する兵士が叫ぶ。


「一般人は早く避難しなさい! そこの学生さん、何をしている早く逃げなさい!」


 この辺りでは見かけないファンタジックな学園の制服を着た、剣を片手に持った髪の長い神秘的な美少女を先頭に、同じ制服の女子学生数人が颯爽と歩いている。


「私らユティトレッド王立魔導学園、討伐部の者よ。ここら辺のサーペントドラゴンだけは死ぬ気でなんとかするから、兵隊さん達は逃げていいよ! こんなの国に来られちゃたまんないし」


 いきなり不遜な事を兵士に言い放つ剣を持った制服少女。


「何を言っているんだ! 子供がどうこう出来る相手じゃない、冗談言ってないで早く逃げなさい!」


 兵士と女子学生達が揉めている間にも、周囲では巨大なドラゴンが炎を吐き、建物や魔車(ましゃ)や馬車を破壊している。


「分かったよ、行動で証明するよっ!」

「部長お願いします!」

「あっこらっ!」


 兵士の制止もあっさり無視し、仲間から部長と呼ばれた剣を持った長髪の少女が、たたたっと竜に向かって走り出す。


 この子だけのやたら長いスカートのスリットから、スラッとした綺麗な足が見える。


 竜の一匹が少女に気付き、巨大な足で踏みにかかるがひょいひょい避けまくる。遂には大口を開け、喉が輝き炎を吐きだそうとする。

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