危うし! 雪布留ちゃんの柔肌……
「あ、逃げた」
どバシッッ!
皆があっけに取られる間に猫呼を突き飛ばした雪布留は物凄い勢いで逃げて行った。
シュタタタタタッ!
「おりゃおりゃおりゃ、どけどけどけ!!」
「わたっ」
どしっ
お陰で猫呼は尻もちを着いてしまう。
「お嬢ちゃん大丈夫かな? 僕は君くらいの年齢のお嬢ちゃんは好きだけど、妹ではないな」
「え?」
コーチNの突き放した言葉に猫呼の顔は曇った。
「幼女が好きとか断言するなよ」
「普通に変態なの!」
「コーチ素敵!」
「わたしだよっ最愛の妹の猫呼だよ!」
コーチNは首をかしげた。
「知らぬな。そんな事より、スナコと一緒にいた雪布留、今逃げ出した雪布留、我らはどっちを追えば良いのかな?」
「両方じゃない? どっちかが雪乃フルエレでどっちかが我らがご主人なの」
「じゃあ髪の色的に砂緒と一緒にいる方じゃ?」
「ではどうして我らが主人があの変態と親しくしてて、自分の事を雪布留と名乗った?」
「不思議なの」
「そんなのどうでも良い、今逃げた方を追えって! まーてーー!」
F子は会話を無視して走り出した。
「待て待て待てぇ~~~」
普段から鍛えているF子は物凄い勢いで廊下を走り、すぐに雪布留に追い付いてしまう。
シュタシュタシュタッ
「ギャーーーッ追い掛けて来るッ!?」
その時ふっと視界の先に食材をかかえたイェラが目に付いた。
「どうした雪布留?」
「良かったイェラ生きてたんだ? 後ろから不審者に物凄い勢いで追い掛けられてるの、全員殺して!」
「死んでないわっ! 殺しちゃマズいであろう。取り敢えず捕まえて交通警備兵に突き出そう」
「どっちで良いから頼むわ~~」
雪布留はドップラー効果を発揮しながら逃げて行った。
チャキッ
だがイェラは隠し持っていた包丁を取り出した。
「そこの不審生徒待てい!」
キキーッ
急ブレーキをかけるF子達。
「ヒッ変な女が校内で包丁構えてる!?」
「普通に警備兵案件なの」
「ここは遠回りしよう!」
「いやだったら会場に戻ろう!」
こうして雪布留は転校生一味をまいた。
ー駐輪場
チャリッ
雪布留は自分の魔輪の前で、キーホルダーに無造作にぶら下げた蛇輪の始動キーの巨大宝石を握りしめた。
ぎゅっ
「砂緒もセレネも騙されてる、もしくは私を裏切ってる……もしもだけどそんな最悪な場合でも私が私である事を証明する唯一の方法、それはこの蛇輪を始動する事!」
ひょいっキュバッギャリギャリギャリッ!
いきなり魔輪に乗り出すと、女学生達をひく勢いで超高速Uターンして走り出した。
「ありゃりゃ雪布留、ニナルティナの方に走り出しちゃった」
兎幸は上空から雪布留の安全を監視し続けた。
ビュ~~
ーニナルティナ湾岸都市、蛇輪海上倉庫
ギギギ
重い鉄の通用扉を開け、雪布留は倉庫内に吸い込まれて行く。
「フルエレは蛇輪に乗るみたいだね、どうせ飛んで来るだろうしじゃあもう大丈夫かっ。砂緒に安心する様に教えて上げなくちゃ!」
ビューン
兎幸は安心して帰って行った……
パチパチ
雪布留は蓄念池式魔法照明を点けた。
カッ!
「え?」
明るくなった倉庫内でフルエレが見たのは、複数の妖し気な男達が、笑いながら飛行形態の蛇輪の周囲でたむろする姿であった。彼らは最近スナコの前に現れたまおう軍の密偵連中である。
「静かにしなっ」
「むぐっ?」(い、いやっ今度は何っ)
ぎゅみっ
突然後ろから口を押えられ抱きすくめられるフルエレ。
「くくく、ここでずっと待っていればどっちかの娘がいつか来ると張っていたが……」
「安心しな警備兵達は全員おねんねしてるぜ?」
「むぐっ」(警備兵?)
フルエレはセレネが配置した警備兵の事を知らなかった。
「お、おいこんな命令受けたか?」
「いいんだよ、この前のお返しだ!」
「しかし何でこんなヘンテコなドレス着てるんだよ?」
「やっぱこの子可愛いなあハァハァ」
男の一人がフルエレの金髪の匂いをかいだ。
ビクッ
(い、いやっ)
「ちょっとこのドレス破いてみようぜ……」
「賛成!」
ビリビリビリッ!
男が突然フルエレのドレスの胸の辺りを引っ張り裂く。フルエレの若い健康的な胸のふくらみが、揺れながら殆ど露になってしまう。
「むぐーっ」(助けて砂緒っ)
恐怖で息が激しくなる度、フルエレの胸のふくらみも激しく上下した。
「俺はもうこのちょっとだけ隠してる邪魔布を全部除去したいと思う」
「大賛成!!」




