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再会、貴城乃シューネ


「前半の二機は知らないけど、金輪(こんりん)桃伝説(ももでんせつ)って千岐大蛇(ちまたのかがち)退治の時とか女王選挙の時に邪魔しに来た機体ね!」


 雪布留(ゆきふる)は笑顔で両手を合わせた。


「何嬉しそうに言ってんですか」

『宿敵ですよそんなの上陸させて良い訳無いです。おい田中コラ今大型船はどの辺りにいるんだ』


 ビシッとスナコはヒューゴーに指を指した。彼ももはや田中と呼ばれる事に躊躇しない。


「はい今既にニナルティナ港湾都市に停泊して上陸許可を待ってられます」

「何だってー!」

『あそこには蛇輪(へびりん)を停泊させてあるからヤバイんじゃ無いでしょ~か』


「今日は魔呂実習が無いから」

「ヤバイって今すぐ見に行かないと」

「じゃあ皆で魔法アシスト付き自転車で急ぎましょ!」


「雪布留、変なモードに変形させられてオーバーホールされてるル・ツーが学院にあるのにゃ~」

『私、あそこには行きたくない……』

「ルンブレッタ君に会いたく無いのね? 複雑な乙女心ねえ」


 スナコは急に物憂げな目になった。

 シュバッ!

 セレネは躊躇無くなげ輪を投げた。


「行くっつったら行くんだよっ! テメーら後のつまんねー議題は頼むぞ」

『うげっぐ、ぐるじぃ』


 ズルズル……



 ーニナルティナ港湾都市

 ガシャーンガシャーン!

 スナコ雪布留セレネ三人はありがちな障害に逢う事も無く、整備中のル・ツーに乗ってスムーズに大港までやって来た。


「見てっあんな所にいつもの大型船に似たお舟がいるわっ!」

「もしや貴城乃(たかぎの)シューネが乗っていたらブチのめしますよ」


 スナコちゃんは三人だけの時は普通に話す事にしている。


「ブチのめしちゃダメ。神聖連邦帝国は友好国なのよ」

「雪布留さん、それはどうだか知りませんよ!」


 ガシャーンッ

 遂にル・ツーは停泊中の大型船の前まで来た。



 ウィーン!


『テステス只今マイクのテスト中。やぁやぁこれは恐らく例の皆様方、どうぞ甲板の上に魔呂ごとお乗り下さい!』


 明らかにシューネの声であった。


「アイツ、罠じゃねーのかよ?」

「何を言ってるのよ、早く乗っちゃいましょ!」

「あ、コラ」


 がちゃっ

 横から雪布留がレバーを動かし、安易に甲板の上に乗ってしまう。

 のっし

 ウィーーン!

 直後に微妙な振動が発生する。


「何だっ!?」

「リフト、魔法エレベーターが動いているわ」

「るわ、とか言うなよキモイよ」

「すいませんつい癖で」


 バシャッ!

 遂にEVが最上甲板まで上がりきると、ド派手な四騎の魔呂が現れた。


『くーーーくっくっ騙されたね諸君!』

「ちっしまったっやはり罠かっ!」

『という訳はありません。その搬入予定の魔呂は中に人が乗っておりません。どうぞ操縦席以外はご自由に検分して下さい、武装を封印して表に出しました』


 シィ~ン

 確かにル・ツーが近寄っても四機の魔呂はピクリとも動かない。


「眼に光が無いですなあ、確かに魔ァンプリファイアの灯は消えている様デス」

「あっ手がすべった!」


 バシャーーンッ!

 突然ル・ツーの肩が当り、金輪(こんりん)は背中から倒れた。



『おっわりぃわりぃ、偶然肩が当っちまった。ついでに言うけど金輪は上陸禁止な!』

『クフフ、セレネも悪人(ワル)ですなぁ』


 ピクッ

 マイクを握るシューネの顔がひきつった。


『やはりセレネ殿と雪乃フルエレ女王と、砂ナントカでしょうか? お久しぶりで御座います。ならば残りの三機は上陸させても?』

『おいコラー! 何で拙者だけ呼び捨てなんだよシューネ風情が偉そうにすんな! 度ピンクの奴も一回見たからもういいや、セレネ上陸禁止にしてやりましょう』


『うむ異論無しだ』

『でもあの羽が四枚付いたのと、赤い魔呂は上陸を許してやりましょうよ、かっこいいわ!』

「かっこ良いとか言っちゃダメです」


 度ピンクの機体、桃伝説(ももでんせつ)は一回破壊され魔ローダーチャームが失われている。


『お目が高い、あれこそ鳳凰騎(ほうおうき)朱金剛(しゅっこんごう)の四旗騎の筆頭なのです』

『凄いわ、誰が乗るの?』


『ふふふ特別に貴方だけにお教えしましょう。朱金剛には我が遠き親戚の貴濠乃(たかみずの)ヌヌノノが、鳳凰騎にはX子さんが乗る予定です』


 ピクッ

 スナコがX子という言葉に反応した。


「それは楽しみですなァ是非とも対戦したいものです」

『いいだろ、その二機は許可しよう。じゃあK子とF子の機体は?』

『では新鋭試作機のGSX6Fをお見せします』


 ウィーンガシャッ!

 出て来た機体を見て、三人は絶句した。


「これは……達磨太師か、本官〇んですか?」

「うげカッコわる」

「そう? わたしは気に入ったわ!」

お読み頂きありがとうございます。

毎回完結となっていますが、まだまだ続きますのでお読み頂けると幸いです。


魔ァンプリファイア……魔法ロボット魔ローダーの動力炉、魔法を貯め込んで増幅する。

魔ローダーチャーム……魔ァンプリファイアが製造時の偶然でたまに固有必殺魔法を持つ事がある。一度壊れるともう復活出来ない。魔ローダースキルから魔ローダーチャームに名称変更したの忘れてました。

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