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謎の三人の短期転校生!!


「ヌヌノノちゃん、ささっ踏み台を持ってきたわっこれにお乗りになって!」


 心優しい名も無き女学生がささっと丁度良い高さの台を滑り込ませた。

 シュルッ


「ンモーッ! ヌヌノノ5歳だけど、これでも講師なのだからねっ舐めたら許さないからねっ……でもお姉さんアリガトウ」


 ポッ

 5歳の幼女は頬を赤らめた。


「キャーッカワイイーッ!」


 また巻き起こる黄色い歓声。


『先生てマジですか。しかも5歳で既にツンデレを理解しておるのか? 末恐ろしい奴だな』


「彼女貴濠乃(たかみずの)ヌヌノノちゃんと言って、一週間ほど前アラスカディア村立女学校という神聖連邦帝国の田舎から短期転校生として来てるの、けど優秀過ぎて講師もお願いしてるらしいのよっ!」


 シィ~ン

 スナコはそもそも五歳児が女学生な時点でおかしいと思わないのかと言いたかった。


『こここ、コイツやないか、わらしに矢を射たの絶対コイツが犯人やないかっっ』(ユーキュリーネ殿は知っていたんじゃ……)


 渦巻く陰謀の臭いにスナコは愕然とする。


「矢って何?」

「スナコちゃんさんどうしたの?」

『な、何でも無いの』


 意外な所に犯人らしき妖しき者を発見し、腰が抜ける程に狼狽するスナコであった……



 スナコはガマの油の様に冷や汗をダラダラ流しながら部室館に帰還した。

 ガラッ!


『たたた、大変です! いきなり犯人を発見してしまいましたっ』


 部室メンバーが一斉にスナコを見る。


「犯人はいーからよ、ウチらのヤキソバパンわえ?」

『あ忘れました。罰として電気あんまして下さい』

「オラッ飢え死にしたらどーすんだよ!」


「デンキアンマてな良くわかんねーな」

『分かりました詳しく解説します、ミラ限定でちょっと来て下さい』

「いやいーわ」

「ウチわえ?」


 どうでも良いやり取りを見終わった雪布留(ゆきふる)が口を開いた。


「スナコちゃんの臀部(でんぶ)に矢を射た憎き犯人が分かったの?」

『はいそれが……どうも犯人は五歳児の様なんです』

「な、なんだって~!?」


『学年が違ったんで良く知らなかったんですが、1年生の間では有名な神聖連邦帝国短期転校生講師らしいです。しかもやって来たのが一週間ほど前と』


「短期転校生講師って何だよ、勝手に新種を開発すんなよ!」

『反省しています、罰は電気あんま限定でお願いします』


 皆は相手にしてはいけないと思い適当に無視した。


「アラスカディア村(略)がある神聖連邦帝国からの短期転校生、妖しいわね」

「しかしマズイな、犯人が五歳女児とか手が出せねーよ」

「そうね、特にスナコちゃんは半径10Nメートル内に接近しない方が良いわ。完全に不審者だもの」

『否定はしないわ』

「否定しないのにゃ」


 猫呼(ねここ)は両手を広げた。


『しかしユーキュリーネさんは生徒会長として短期転校生の事を知っていたんじゃないかしら?』

「お前今日の言葉遣いが変くね?」

「気にしてはいけないにゃ~」


「そ、そうねセレネのいる時に相談してみるわ。けれどスナコちゃん絶対に犯人に話し掛けたり接近したりしちゃダメよ、警備兵案件になるから!」


『しつこいですなあ』

「しゃーねーなーウチらが見掛けたら問い詰めてやんよ」

「それはそれでやばいっしょ!」


「そうね、猫呼(ねここ)兎幸(うさこ)と兎(うさぽ)ならギリなんとかなると思うわ!」

『猫呼はもうダメでしょ、やさぐれてるから』

「否定はしないにゃ~」


 猫呼が両手を広げ一旦矢文犯への対策は忘れる事とした。



 ー次の日

 熱血眼鏡女教師は教室に入るなりヤケに嬉しそうであった。

 ガタッ


『先生どうしてそんなにウキウキなんですか?』


 スナコは手を上げ立ち上がって女教師に聞いたが、しばし彼女は笑うばかりで答えない。生徒達はいら立ち始め教室は騒然となった。


「ふふふ仕方が無いわね~静かになさい、今日は貴方達の教室に三人も短期転校生がやって来たの!」


 ざわっ

 教師の一言でさらに教室内はザワついたのであった。


『な、なんですとっ短期転校生ですと!?』


 スナコは激しく胸騒ぎがした。


「さあ入ってらっしゃい!」


 教師が手招きすると、二人が堂々と一人がおずおずと入って来た。


 シィ~ン

 教室内が一斉に静まり返る。それもそのはず、転校生全員、仮面を装着していたのだ。


『妖し過ぎるやろが』


 ツカツカ

 しかし一人の仮面の少女がスナコの前にまで歩み寄る。

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