ゴーレムさんに出会った!! 逃げる少女
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「はぁはぁ」
ふわふわの金髪をなびかせ時折後ろを気にして振り返りながら昼なお暗い森の中を必死に逃げ惑う少女。陶器の様に艶やかで真っ白い肌の華奢な手足を必死に振り、そしてどこまでも深く透き通る泉の様なエメラルドグリーンの瞳は今は恐怖に怯えきって焦点が彷徨っている。
その纏っているふわりとした純白の軽い薄地のドレスは、貴族の物程ではないにしろ質素なデザインの中にも細部の仕上げに繊細な上品さと隠された高級感が漂う。身体に似つかわしくない少し大き目の麻袋を背負っている事以外は、よほど女性に興味が無い場合を除きそれは男なら誰でも憧れるだろう理想の美少女像その物だった。
「ひひゃははははは」
その後ろをわざと追いつくか追いつかないかの速度で、【サイドカー付き二人乗りオートバイ】と一頭の馬に便乗し、合わせて同じ軍服を着た3人の男が笑いながら追いかけている。その着崩した軍服や野卑た表情からも、あからさまにガラの悪い不良軍人に見える。
「あぁ」
遂に少女は足をつまづきしたたかに転びうつ伏せに倒れる。
「あうっ」
すかさず【サイドカー付き二輪】と馬とで前後を挟むように囲むと、さっと馬から飛び降りたリーダー格らしき大男が少女の倒れて前に突き出された細い両腕を豪快に掴み、まるで両耳を縛られ吊られぷらぷらと振られる狩りの獲物の兎の様に、いとも簡単に少女を持ち上げる。
「あうっ痛い、お願いです離して下さい」
酷い虐待を受けそうな場面でも、丁寧な言葉遣いが離れない美少女の態度が一層男たちの加虐欲を掻き立てる。
「こりゃたまんねえな」
「哨戒なんてつまんねえ役だと思ってりゃ、とんでもねえ役得だなこりゃ」
子分格のオートバイを運転していた男が、やはり野卑た表情を浮かべ少女に近づく。男たち二人の視線の先は、それ程大きかったりする訳ではないが恐怖と緊張の中鎖骨に少し汗を光らせ激しい息で上下する、ドレスの胸元から薄っすらと谷間が見える若々しく膨らんだ少女の胸の膨らみに注がれているのは明らかだった。
「い、いやっ離して下さい、お願いです」
薄っすら目に涙を浮かべた少女は、次に何をされるか男たちの掌がどこに伸びて来るかを想像しただけで、血の気が引いて気が遠くなりそうで白い肌が余計に蒼白になる。
「や、やっぱりまずくないですか? 大丈夫ですかこんな事して」
それまで何も言葉を発していなかったサイドカー側に乗っていた小柄で気弱そうな男が、少し怖気づいて来た様子で言ったが、結局上下関係で絶対服従なのかやはりこの気弱男も内心期待しているのか、本気で制止する様子もなく身を乗り出す様に少女のしなやかな肢体をみつめた。
「へへへ堅苦しい事言うなバカが。このくらいは役得なんだよ新人、覚えとけ」
「へ、へい」
それは男のごつごつした手指が、まだ誰にも触れられた事がないだろう若い蕾の様な膨らみにかかる直前だった。
「しばし」
何の脈絡も無く響く声。
「しばし?」
この物語は薄幸の美少女、雪乃フルエレが家出をして従者・砂緒を発見し冒険をしつつ、やがて女王に即位するギャグファンタジー物語です。(8行目第一部 第712部分まで)
(※ヒロイン雪乃フルエレが家出した経緯については「ep.239 プロローグ I雪の女王」辺りにあります)
ですが異常に長くなってしまったのでとりあえず、2-Ⅰ魔道学園へ(8行目第二部 第713部分)から読んで頂いても十分楽しめます!
とにかく女王に即位した雪乃フルエレが学園に入学します。もしそれでノリに慣れて頂いて、お暇な時にでも最初から読んで頂けら幸いです。(ラブコメと半々程度ロボットも出て来ます。)
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