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ワンダー7  作者: 二月三月
近接宇宙への挑戦

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54/251

次点

 

 こうして7人の少年少女と1匹は、初の胞障壁(セルレス)突破をなしとげた。

 後になっていろいろ言うやつは出てきたが、この快挙は当時極秘にされた。

 それは彼らにとってはむしろ好都合だった。数多(あまた)の星の言葉なんかは誰かに話したくてしょうがなかったらしいが、話したところで信じてもらえたかどうかは、彼の評判から言っても定かじゃない。

 

 彼らが宇宙船(ボード)乗組員(クルー)と呼ばれるようになったのは、実際、だいぶ後になってからのことだ。知ってるか? ボードというのは彼らの遊戯の的のことなんだ。まあ、こっちとしては宇宙船(ボード)に似たゲームの的があるらしい、ってことで雲をつかむような話だな。だいたいサイユルにしてからが、彼らのことを宇宙船(ボード)乗組員(クルー)なんて呼んではいなかったし、ベルガーにいたっては光子体(リーニア)とあまり区別がついていなかったらしいんだから、大笑いだ。

 

 胞障壁(セルレス)突破から世の中はずいぶん変わったが、それが認識されるのはまだずっと後の話だ。そりゃそうだ。そのころは光子体(リーニア)近接胞宇宙(セルパッハベル)を飛び回ってるのを知らないやつだっていたんだから。

 

 それでも最初の胞障壁(セルレス)突破には浪漫を感じ得ない。

 そう思うからいろんな本が書かれたんだろうが、まあ、全部、でたらめだ。それについてはデタラメ本の著作者を絞め上げるというのもひとつの手ではあるんだが、どちらかと言えば彼らは被害者だ。

 

 問題のおおもと(丶丶丶丶)が『セルレスを超えて』であることは疑う余地がない。

 宇宙屈指の中身の無い名文、と評されるこの小冊子がもし書かれていなければ、他の本だってもう少しはマシになったろう。

 宇宙にあまねく幾多の星で重版につぐ重版を重ねたこの小冊子は、どれだけのコピーがあるのか想像すらつかない。

 『セルレスを超えて』の作者は不詳だが、いまだに宇宙船(ボード)乗組員(クルー)のひとりだという伝説が根強く信じられている。心当たりがありすぎるのがつらいところだ。

 

 

 

宇宙船(ボード)乗組員(クルー)


タケルヒノ(♂)

ボゥシュー(♀)

サイカーラクラ(♀)

ビルワンジル(♂)

ジムドナルド(♂)

イリナイワノフ(♀)

ジルフーコ(♂)

ザワディ(ライオン)

 


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