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東方剣雷録~Another I~  作者: ksr123
プロローグ 妖怪の山
1/12

第一話 ~帰郷~

ああ、何年ぶりだろうか。

ようやく帰って来れた。私の幻想郷ふるさとに。


「・・・懐かしいわね。」


誰かが聞いている訳でもないのに、何となくそう言ってみる。

ここは妖怪の山。その山頂に彼女は立っていた。


「私は人間だから、もっと時間を大切にしないとね。・・・って何を言ってるんだか」


「あやややや、これは珍しい方が来たものですね。」


「?」


声のした方を振り向くと、そこには一眼レフを携えた天狗の姿。


「お久しぶりです。私です。射命丸ですよ。」


「射命丸・・・って文!?うわ、久しぶりじゃない!」


「じつに7年ぶりですかねえ・・・まあ妖怪からしてみれば大した時間じゃないですけどね。おっと、あなたも同じ様なもんでしたね。っていうか7年間何をしてたんですか?いきなりいなくなって心配したんですよ?」


「ああ、実はね、神隠しにあったの。」


「え?」


神隠し、というよりは、その逆だろう、と彼女は思っていた。


ある日、突然外界に放り出されたのだ。


外界は奇妙な場所だった。機械?と呼ばれるものが街中を埋め尽くし、

殆どの人間がそれに依存した生活を送っていた。

エルミーはその生活に慣れることはできなかった。と言うより慣れたくなかった。

機会に依存した生活。そんな生活を送る人間は、それを失った途端、破滅するのだろう。


「だったら、例の妖怪の賢者にでも助けてもらえば良かったんじゃないですか?」


「いや、ほら私人間だし。」


あの妖怪・・・八雲紫は人間が外に出ても別になんとも思わない。例外(霊夢)もいるが・・・。


「はあ、そうでしたか・・・。さぞ大変でしたでしょうね・・・。」


「全くよ。今度会ったら文句言ってやるんだから!」


「あはは。そうだ、なんなら上の方にも顔を出しに行ってはどうですか?天魔様も喜ばれると思いますよ?」


「いや、遠慮しとくわ。」


「それはまたどうして?」


「んーーー、まあとにかく、私が帰ったことは秘密にしといて。私は人里あたりでご厄介になるから。」


「えー・・・なんだか要領を得ませんがまあいいでしょう。あなたの頼みを断るわけにはいきませんから。」


「ありがと。じゃあね。」


そう言うと彼女は消えた。本当に一瞬で消えたが、文は驚かなかった。彼女の能力を知っていたからだ。


「相変わらずですねえ。エルミーさんは。」


何気ない旧友との再会。

穏やかな様に見えて、この時、既にその異変は始まっていた。

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