私の親友
現在2月1日。
寒がりな私にはとても辛い季節。
そんな今日は朝から珍しいお客さんが
来ていた。
ピンポーン…。
「るーちゃーん!出てくれないー??」
「もー!出るけど呼び方ー!」
私は急いで階段を降りた。
「はーい!どちら様で…すか…。」
玄関を勢いよく開けると、
そこには見覚えがありすぎる人が
立っていた。
「おっはよ瑠衣!ひさびさ!」
「なお!?どうしたのいきなり!」
前の学校での唯一の友達、
橘 奈緒だ。
奈緒は一年年上の近所のお姉さんだった。
いつでも私の話を聞いてくれて、
噂なんかに流されないで
私の事を信じてくれた。
見た目は男の子に見えるぐらい
ボーイッシュだ。
身長は180cmあり、
バレーボール部所属。
私は160cm。
…標準かな??
奈緒は服装も女の子らしい服を
嫌うため、
男らしいのが多い。
「えー!どうしてー?!今日なお学校休み??」
「何言ってんの。私は何年生だと思ってるの?今は自宅学習期間だから!瑠衣が一人ぼっちで寂しがってるだろうからバイト代と母さんに金借りて来てやったぞ!」
「~~!///ほんと奈緒大好き!ありがとー!」
私達が久しぶりの再会を
喜んでいると、
「瑠衣~!久しぶりになおちゃんに会えて嬉しいのは分かるけど、早くご飯食べなさい!学校遅刻するわよー!?なおちゃんもおいでー!一緒に食べましょう。」
「「はーーい!」」
そして瑠衣たちは朝ご飯を
食べ終わった。
「それじゃあお母さん、なお。学校私行ってくるね。なおゆっくりしてって!学校終わったら買い物行こ!」
「おっけ!丁度服欲しかったから楽しみだー!」
そして私は家を出て学校に向かった。
私は嬉しくなった。
久しぶりに友達と話せて、
くすぐったい気持ちになった。
こっちでも奈緒みたいな友達
出来るといいんだけど。
放課後が楽しみだな♪
「何ニヤニヤしてるの??」
……。
「え!?」
私は驚いた。
なんと奈緒が着いて来ていたのだ。
「奈緒!つけてきたの?!」
「ひどい言い草だなあ。家出た時から隣で歩いてたんですけど。」
「ほんと?!」
「なんかずっと瑠衣ぶつぶつ言ってんだもん。話しかけずらいっしょ。しかもなんかにやけてたし~。」
「に、にやけてるって!だって!こっちでは友達いないから奈緒来てくれてうれしかったの!」
「ほんとー?へへ。それは嬉しい!ほんとはねー、敦史にも金貸してもらったんだ!少しだけどね。足りなくってさ…。でも来れて良かったよ。瑠衣やっぱり寂しがってたし。」
奈緒には彼氏がいる。
男バレの部長だった人。
そして私の兄だ。
兄は前の家の近くの大学に
受かったため、
こっちに私達が引っ越す際に
一人暮らしを始めた。
お兄ちゃんは妹の私に甘かったため、
きっと私が寂しがってるだろうと
奈緒にお金を貸したんだなってすぐに
わかった。
【ありがとうお兄ちゃん…。】
「ところで瑠衣!…学校で嫌な事とかされてない??」
「え?あ、全然大丈夫だよ!最近は学校行くの楽しみなの…。」
私は自分の頬が赤くなっている事に
鏡を見なくてもわかった。
「……。あらら。友達は出来なかったけど、…好きな人は出来たってか??」
「…………///」
奈緒はとても嬉しい気持ちになった。
瑠衣の事はまるで自分の妹のように思っている。
やっと瑠衣にも人を好きになる
素敵な感情を知って貰えた。
それだけで奈緒は泣きそうになった。
「だから奈緒。心配しないで?学校行きたくないわけじゃないから!」
「うん。…良かったよほんとに。」
そして駅に着いた。
今日も芦屋くんいるかな?
…早く芦屋くんに会いたい。
奈緒にも会えて、
芦屋くんにも会えたら、
嬉しくて舞い上がりそうだ。
プシュー…
【…!芦屋くんだ!えへへ。芦屋くん眠ってる。寝顔見れちゃった。今日はほんと良い事ばっかだな!】
ふと奈緒は瑠衣を見ると、
瑠衣は幸せそうな顔をして
眠っている男子生徒を見つめていた。
【……あぁ。この人が瑠衣の好きな人か。ふ~ん。瑠衣ってめちゃ面喰いだったんだ。】
奈緒はニヤニヤしている自分の顔を
ぱしぱしと叩き、平常心を保った。
瑠衣と奈緒が話していると、
龍磨は目覚めた。
【お。起きたなイケメン君。】
すると龍磨は顔を上げた。
その瞬間奈緒と龍磨は
目があった。
【うわ。真っ正面からだと尚更イケメンだな。】
するとイケメン君は私を見るなり
チラッと瑠衣を見て、
はぁ〜。と溜息をついた。
そしてイケメン君は電車を降りて行った。
【ありゃ??何だ今の…。】
「降りるよ奈緒!扉閉まっちゃう!」
「あ、うん!」
「ねえ瑠衣。」
「ん?なーに??」
「瑠衣ってあのイケメン君と話した事あるの?」
そう質問すると瑠衣は
真っ赤に顔を染めた。
「は、話した事なんてないょ…。目も合ったことないし。」
「へ〜。んじゃあ瑠衣はあのイケメン君に一目惚れってことか。」
「え?!ち、ちょっと奈緒!なんで私があの人の事す、好きってわかるの?!」
「分かるよ!!瑠衣は顔に出過ぎだもん。」
瑠衣は湯気が出るんじゃないかってぐらい
顔を赤くしている。
……可愛いやつ。
イケメン君は幸せものだな。
こんな可愛い瑠衣に好かれて。
しかも瑠衣の初恋だぞ。
泣かせたら敦史に言いつけてやる。
「………私、すごいチラチラ見ちゃってるの。でも一回も目が合ったことないんだ…。芦屋くんにとって私なんて、眼中にないんだと思う…。」
瑠衣は自分で言って悲しくなった。
「そんなしょぼくれんなよ〜。さっき私目が合ったけどなあ。」
そう言うと奈緒は瑠衣の頭を
ポンポンと撫でた。
するとヒソヒソと声が聞こえて来た。
「見てあれ。もしかしなくても城内瑠衣の彼氏じゃない??」
「帽子かぶっててあんま顔見えないけど、絶対イケメンだよね!」
「うわ〜。朝から彼氏と登校ですか。かっこいい彼氏見せつけたいってか?」
奈緒は瑠衣を見ると
運が良かったことに女生徒の
悪口に気づかず、イケメン君を
見ていた。
うん。
イケメン君に夢中になってなさい。
【……くだらな。やっぱり瑠衣の人並み外れた可愛さに女どもひがんでんな。てか!!私男に見えてんだ(笑)女物の服似合わないから敦史の服使ってんだよね。したら男に磨きがついちゃったか。】
あれ?と奈緒は気づく。
もしやさっきのイケメン君の
ため息……。
私が瑠衣の彼氏だって思っての
ため息なんじゃないか?!
したらイケメン君は瑠衣の事が好き?!
良かったじゃん瑠衣!
いや…。
あのため息は誤解をしたからの
ため息。
やばい!!
瑠衣には彼氏がいると思われた!!
私のせいでなんかこじれちゃう?!
…………。
「あっちゃあ〜……。」
微妙な終わり方かな??
これからどうなる!?
って感じで終わりたかったんです(笑)
全然だめ(笑)