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―プロローグ―
……果てしなく、長い旅路に僕等は居た。
下を見ると、現実が見えた。現実なんか、見たくなくて、怖くて空を見上げると、果てしなく空は続いていた。
果てしなく続いている空さえもが、嫌になって前を見ると、苦し紛れにもがいている人がいた。
……後ろを見ると、僕を必死に追いかけてくる人がいた。
怖くなって、僕は目を瞑る。耳を塞ぐ。しゃがみ込む。
――何も見たくなくて、何も聞きたくなくて。
そのときの僕は、知らなかったんだ。
この世界には、綺麗なモノもたくさん存在するという事を――。
君に出逢えて本当に、良かった。
――生まれてきてくれて、此処に存在してくれて……ありがとう。
あなたは今、誰かに必要とされていますか――?