第55話 王都での作戦会議
王都ミレスト――中央広場の奥にそびえる、王城の戦略会議室。
石造りの重厚な扉が静かに開かれ、各地から集った精鋭たちが次々に足を踏み入れる。
リク、リリア、ミルナにコロロ。
王宮、神殿、軍部からの代表者。
そして冒険者ギルドからは、王都ミレスト本部のギルドマスターとダンジョン都市ルゼンナのギルドマスターであるグレヴェンらが一堂に会していた。
その中心に設置された巨大な円卓。その上には、災厄の王とその周辺地域を再現した立体地図が魔法によって浮かび上がっていた。
グレヴェン:「ようやく……この日が来たな」
グレヴェンが腕を組んで呟いた。
「では、作戦会議を開始する」
王城の戦略担当官が声を上げると、リクが一歩前に出て、皆の注目を一身に集めた。
リク:「俺たちの目的は“災厄の王”の完全封印です。そのために、巨大ゴーレム・アトラ=ヴァースを動かし、災厄の王の周りを岩と鉛で封印します。岩はあらかじめ生産者ギルドの方々に切り出していただきますが、なにぶん、ご覧のように災厄の王の周りはお皿のように凹んでいますので、当日も微調整が必要です。鉛についても同様にあらかじめ切り出した岩に巻いてもらいますが、最終的に残った隙間は手で塞ぐ必要があります」
「さらに」とリクが続ける。
リク:「今回の災厄の王の出現は、人為的な可能性がありますので、軍部の方々には周囲を見張っていただきます」
「つまり敵は、“災厄の王”だけではないと……」
神殿代表が眉をひそめる。
その時、王が立ち上がった。
王:「リクよ。貴公がこの作戦の総指揮を執れ。勇者としての力、知恵、そして仲間を信じる心に、我が国の希望を託す」
リクは一瞬、言葉を失い、それでもしっかりと頷いた。
リク:「……わかりました。全力を尽くします」
その瞬間、会議室の空気が変わった。
誰もがひとつの目的に向かって、心をひとつにした瞬間だった。




