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第46話 ミニゴーレムの正体

 ようやく森を抜けると、焦げついた大地、ねじれた金属の残骸、空気すらも焼き尽くされたような沈黙が、そこにはあった。


 リクがその異様な光景を見つめていると、ギランが静かに語りはじめた。


 ギラン:「……これが“災厄の王”の爪痕だ。ちょうど100年前、やつが現れたときのな」


 その言葉に、リクたちは息を飲む。


 ギラン:「ついでにと言ってはなんだが、遺跡周辺に点在していた旧時代の兵器――不発弾が、厄災の王の衝撃で、連鎖的に爆発したらしい」


 爆発はあらゆる生命を焼き払い、大地を砕き、地形そのものを変えてしまった。


 だが――


 ギラン:「逆に言えば、ここから先はもう“爆発するもの”は残ってないってことだ」


 それを聞いて、リクたちが足を進めようとした、その時だった。


 ピピッ……ピッ……!


 ミニゴーレム・コロロがぴたりと動きを止め、胸元の赤い宝玉が、チカチカと光を放ち始めた。


 コロロ:「――警告。放射線ヲ察知シマシタ。推定値、基準値ノ10倍。即時退避ヲ推奨シマス」


 リクは驚いて立ち止まり、コロロを振り返る。


 リク:「な……今、なんて言った!? 放射線って……おい、コロロ、それ本当か!?」


 コロロ:「検出モード作動中デス。間違いアリマセン……」


 リク:「……コロロ、まさか……おまえ、兵器じゃなくて……計測機械だったのか?」


 コロロ:「「正確ニハ、旧文明監視用多機能支援端末。コードネーム:KOR-06。任務:高危険環境下ニオケル探索者支援オヨビ警告発信」


 リク:「うそだろ……」


 リクはその場に立ち尽くしたまま、目の前の遺跡と、静かに語るコロロを見比べた。


 ミルナが口を開く。


 ミルナ:「私は行くわ――」


 リク:「だめだ」


 リクが静かに首を振った。


 リク:「ここから先は、“耐えられる者”でないと」


 リリアも食い下がる。


 リリア:「リク一人でなんて――!」


 リク:「大丈夫だ」


 沈黙が流れる。


 ミルナがぽつりと呟く。


 ミルナ:「……戻ってこれる?」


リクは少しだけ笑った。


 リク:「もちろん。その時は、禁域の“謎”と“未来”を背負って戻るよ」


風が吹いた。枯葉が舞い上がり、禁 域の奥へと誘うように流れる。


リクとコロロは、誰にも止められることなく、一歩、また一歩と足を踏み入れた。


その背に、仲間たちは祈るように言葉をかけた。


「――必ず、生きて帰ってこい」

「待ってるからね……リク」


そして、音のない森にふたたび静寂が戻った。

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