第43話 案内人ギラン
まだ陽が高く登りきらぬうちに、リクたちは町の中央にあるギルドの建物を訪れていた。
カウンターに立っていた受付嬢にリクが外出届けを差し出すと、彼女はそれを受け取り、ふと眉をひそめた。
受付嬢:「……目的地、“遺跡都市”?」
リク:「ああ、少し調べたいことがあるんだ」
リクが気軽に答えると、受付嬢は小さく息を吐き、首を横に振った。
受付嬢:「申し訳ありません。“遺跡都市方面”は、現在“制限付き外出エリア”です。認定ガイドの同行が必要です」
リク:「……ガイドって、そんなに危ないのか?」
リクが首を傾げると、受付嬢が資料をめくりながら静かに答えた。
受付嬢:「……“不発弾”があるのです」
※普通の爆弾の不発弾です。
「戦争遺産か?」とリクが尋ねると、彼女はこくりと頷く。
受付嬢:「ええ。かつて行なわれた古代戦争の残骸です。誤って衝撃を与え、吹き飛んだ冒険者が何人もいると記録されています。――素人が踏み込めば、一瞬で消し炭です」
リク:「なるほど……まずは、腕のいい案内人を探す必要があるってことか」
リクが腕を組んだその時、カウンターの奥から渋い声が響いた。
男性:「……案内人探しなら、ここに1人いるぜ」
現れたのは、無精ひげを生やしたベテラン風の男。腰には犬がついてきている。
男性:「俺はギラン・バスク。遺跡都市へのルートを何度も生きて帰ってきた男だ」
扉の向こうから現れたその男は、冒険者とは思えないほど落ち着いた雰囲気を纏っていた。
彼は人差し指を立てる。
ギラン:「ただし、報酬は前払い。命の保証はしない。それでも行くってなら――引き受けてやるさ」
リクは力強く頷き、手を差し出した。
リク:「その条件で構いません。俺たちは、どうしても行く必要があるんです」
ギラン:「フッ、いい目だ……気に入った。じゃあ、出発は明日の夜明け。準備を整えておけよ」
こうして、新たな仲間・ギランと共に、リクたちは“遺跡都市”という禁断の地へ――歩を進めることとなつた。




