表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/70

第41話 バロック=シールド

 リク達の向かっ頑強な石造りの防壁に囲まれたその町は、まさに“防御の町”であった。


 リクたちが情報を集めようと立ち寄ったギルド本部。その重厚な扉を開いた瞬間――


 老人:「……その歩き方。懐かしいな。ガルムの弟子か?」


 その声に、リクたちは振り返る。


 カウンター席の奥に、重装の鎧に身を包んだ大男が座っていた。深く刻まれた傷跡と、くすんだ銀の瞳が歴戦を語る。


 ギルド職員が小声で囁く。


 職員:「……あの方は、バロック=シールド。リディエル最強の防衛戦士であり、かつて“剣聖ガルム=フレイ”と共に世界を巡った者だよ」


 リク:「ガルムを知ってるのか?」


 バロック:「“知ってる”どころじゃないさ。あいつとは地獄を三度潜った」


 リリア:「あなたが……父と旅を?」


 バロック:「ん?…お前さんはガルムの娘かい?似てるぜ、目の奥の炎が」


 その言葉に、周囲の冒険者たちがざわつく。ガルムの過去は、伝説の断片でしか知られていない。


 バロックは、リクを見据えた。


 バロック:「で、お前が……あいつの意志を継ぐってわけか?」


 リク:「意志? いや、ここに行けと言われただけなんですけど?」


---


 その夜、バロックの家。

 バロックは静かに話はじめた。


 バロック:「わしの先祖は、旧リディエル―200年前の“災厄の王”の出現により、滅びた町―の住民じゃった」


 リリア:「ここに来る途中にあった遺跡都市ですね」


 バロック:「そうじゃ、災厄の王の出現により、町は徐々に蝕まれ、生き残った者たちは北へ逃れ、新しい“盾の町”を築いたんじゃよ」


 リリア:「じゃあ、……あちらが“原初の盾の町”ということね。」


 バロックは、ついついリク達と話したくなるのを我慢して、苦笑いを浮かべた。


 バロック:「……難しい話は明日にしよう。今日は疲れてるだろう? まずは身体を洗え」


 そう言って、バロックは屋敷の奥にある“風呂”に案内してくれた。


 バロック:「湯は薪で沸かしたが、ちょうどいい頃合いだ。……ふふ、風呂の文化は旧リディエル時代の誇りでな。残っててよかったよ」


 通された石造りの浴場には、意外にも心地よい蒸気が満ちていた。古代の技術なのか、温度調整された木桶に湯がなみなみと注がれ、香草の匂いがほんのりと漂っている。


リク:「うお……これ、めちゃくちゃ気持ちいいな……!」


 まずはリクの声が浴場に響き、順番に入った。


 その夜、久々のやわらかな布団の中で、リクたちは深く眠りにつく。

嵐のような日々のなか、ほんの少し、心を預けられる夜だった――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ