第38話 暁の癒し手〈ドーン・クロス〉
ダンジョン十階層を踏破し、Cランク昇格を果たしたリクたちは、次なる目的地としてギルドからある街の名を聞かされていた。
ギルドマスター:「これより上層を目指すなら、次は“盾の町リディエル”に行く必要がある。一度、きちんとした防具を揃える必要があるからな」
リリア:「ルディエル……どこかで聞いたような?」
リク:「と言うか、お前の父親に言われた今回の旅の最終目的地じゃないか」
リリア:「そうだったわ、すっかり忘れてたわ」
ギルドマスターは笑いながら、手渡された地図を指差す。
ギルドマスター:「途中に難所はあるが……このルートなら、遺跡都市経由でリディエルへ向かえる」
リク:「よし、行ってみよう。あ、そうだギルマスさん」
この町を旅立つ前にひとつだけ、リクはしておきたいことがあった。
ギルドマスター:「なんだ?」
リク:「……魔石を売ったゴールドの半分を寄付しようと思う」
リリア:「え?」
ギルドマスター:「なんだと?」
リク:「いや、実際さ。本来、魔石って半分以上落ちないもんなんだろ? それが毎日300個。これって運が良すぎる。だったら、その“運”で得たぶんは……困ってる人に回した方が、気持ちいいだろ」
ギルドマスター:「……なるほど。……して、その金をどう使えばいい?」
リク:「じゃあ……みんなが安心して眠れる場所を増やそう。どんな種族でも、どんな身分でも、傷を癒せる場所を」
こうして生まれたのが――
暁の癒し手〈ドーン・クロス〉。
赤地に白の剣と翼が交差した紋章を掲げ、ギルドの名のもと、各地に“救護拠点”を設け始めた。




