第36話 ミニゴーレム起動
ギルドの攻略掲示板を眺めていたリクたちは、ある注意書きに目をとめた。
※ダンジョン第10階層以降への挑戦には、4人以上のパーティー構成が義務付けられています。(安全管理・調査効率の観点より)
リリア:「……あら? 今まで3人で問題なかったけど、ここからは“4人以上”じゃないと進めないのね」
ミルナ:「妥当な判断ね。深層に行くほど、モンスターも知性や連携を見せ始める。1人欠ければ全滅のリスクもある」
リク:「まあ、確かに今までの階層とは雰囲気が違うからな。でも……あと1人か」
リリア:「誰か適当な強者を紹介してもらいましょうか?」
ミルナ:「ギルドからの推薦枠か、それとも冒険者酒場で声をかけるか……」
すると、リクは何気なく片隅に積まれた埃だらけの金属塊に目を留めた。
リク:「……あれ、ミニゴーレムじゃないか?」
受付嬢:「えっ? ああ、それは古い遺物ですよ。ずっと前に誰かが持ち込んで、動かないし処分予定です」
リク:「あれ、仲間に出来ないかなぁ」
リクは考え込んでいた。
そしてふと、腰のポーチから――一つの笛を取り出す。
それは、かつて道の真ん中で出会った巨大ゴーレムから託された笛だった。
「何かの時に使え」と言われただけで、用途も分からず持ち歩いていたものである。
リク:「……もしかして、これが“目覚ましの笛”か?」
何かに導かれるように、リクはその笛を吹いた。
――キィィィィィィィィン
透明で澄んだ、しかし耳を打つような音がギルド内に鳴り響く。
その瞬間――
ミニゴーレムのコアが反応し、体の継ぎ目から光が漏れ始めた。
コロロ:「目覚まし音――認証。特級指令笛、確認。起動シーケンス、再開」
受付嬢:「ひ、光ってる!? この反応……信じられない!」
リクは笛を見つめながら、口元に笑みを浮かべた。
リク:「“何かの時に使え”って言ってたけど……まさか、古代兵器の“鍵”だったとはな」
こうして、“目覚ましの笛”が真の起動キーであったことが判明し、リクは偶然手にしていたその笛で、長き眠りについた古代の守護者を再び世に目覚めさせたのだった――。




