第35話 情報員からの報告
受付嬢エルミナはリクが立ち寄った村や町の情報員からの報告を読みながら、寒気を感じた。
一般的にはあり得ないような出来事がリクの周囲で頻発しているのだ。
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1. 教会地下の魔力暴走事件
運良く沈静化されたが、 封印が破られそうなほど、“黒霧の因子”が暴走した。その時、リクが教会でなにかしら祈っていたのが目撃されている。
2. 巨大ゴーレム事件
道の真ん中に巨大なゴーレムが寝ていたが、リクは恐れることもなく、ゴーレムに話かけ、道を空けさせた。それはまるで、リクがゴーレムの支配者であるかのようであった。
3. 勇者にしか持てるはずがない剣を持ち歩いてる。
4. 闇魔法に汚染され、暴走状態のシフを何らかの手段で正気にもどした。
5. 町でゴロ付きに絡まれそうになったとき、目を見ただけで、吹き飛ばした。
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エミルナ「こんなの偶然の連続で片付けられるわけがない……」
そんなエルミナの心配をよそに、ギルドマスターは報告書を黙って読みながら、にやりと笑った。
ギルドマスター:「いいぞ……ますます伝説じみてきたな。リクという少年の物語は」
エルミナ:「そんな呑気なことを……」
ギルドマスター:「はは、つまりはリクの正体が何であれ、間違いないのは――“無視できない存在”になったということだな」
そう言いながら、ギルドマスターに笑顔はなかった。




