第24話 剣豪の間 リクの挑戦
リク:「さて、じゃあ、俺も試してみるかな」
リクはそう言いながら、「剣豪の間」に足を踏み入れた。
バルゴが再び、大槌で床を叩くと、辺りに霊気が立ち込めた。
バルゴ:「な、なんと! 蒼き月の剣豪!」
現れたのは、リリアの時のように亡霊たちが次々と現れるのではなく、たった一人の剣士だった。
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蒼き月の剣豪
名は――セイル・アルディス。
帝国歴334年。
大陸南部の内乱が続く中、ひとりの若き剣士が戦場を駆けた。
彼が斬ったのは敵だけではない。
腐敗した騎士団、私腹を肥やす領主、民を盾にする貴族すらも――彼の剣の前には平等だった。
「俺の剣はただ一つ。“正しさ”のためだけに振るう」
そう語った彼の剣は、“月光の剣”と呼ばれた。
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剣豪:「……来たか。我が剣の継承者よ。汝の覚悟、見せてもらうぞ」
シュバッ!!
一閃、見えぬほどの抜刀――!
――パリイ!
リク:「うわ、速っ!」
剣豪:「なにぃ……!?」
リクの剣が軽く相手の刃を逸らす。その後、ヴァルゼリオンが一瞬光を放ち、追撃の形で軌道を変える。
俺:「あっ、剣が勝手に動いた……これ、めっちゃ楽」
剣豪:「まさか、こちらの動きを……!? 」
30分に及ぶ死闘。
しかしリクは、終始無傷。パリイ、パリイ、パリイ。そしてたまにカウンター(偶然)。
そして――
剣豪:「……見事だ。……30分防ぎきったか。ならば、最後の試練。一太刀で我を斬ってみせよ」
リク:「じゃあ……俺なりに、いっちょ振ってみますか……」
伝説の剣が共鳴し、淡く金の光を帯びる。
両者、一歩、踏み出す。
圧倒的な気迫の前に、リリアとシフが思わず息を呑む。
リク:「――でぇええいっ!」
ズゴォオオオオオン!!
剣が空気を割き、その一閃は、剣豪の霊体ごと試練の間の石床を十数メートルに渡って裂いた。
剣豪:「ば、ばかな……これは……神話級の一撃……!?」
リク:「あっ……なんか床までいっちゃった。ごめんね?」
剣豪:「お、お主……とんでもない男じゃ……(ガクッ)」
こうして――リクもまた、剣豪の名を手に入れた。




