表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/70

第22話 剣豪の間――亡霊たちの試練

 ドワーフの名匠、バルゴ=アイアンビアードが腕を組み、リリアをまっすぐに見据える。


 バルゴ:「俺が鍛える剣は“振るう者”を選ぶ。強さも、技も、覚悟も、すべて見せてもらうぞ」


 そう言って彼が案内したのは、「剣豪の間」と呼ばれる、鍛冶場の奥深くにある石造りの円形闘技場だった。


 そこには、重たい空気と剣気――そして、かつてここで命を燃やした戦士たちの霊魂が眠っている。


 バルゴ:「ここには、剣に殉じた数多の“剣豪の魂”が封じられておる。そいつらは“生半可な覚悟”を嫌う。試されるのは……お前の“本物”だ」


 リリア:「……いいわ。やるしかないもの」


 バルゴが大槌で床を叩くと、辺りに霊気が立ち込め、剣を携えた亡霊たちが次々と姿を現す。

 その眼光は、確かに生きた剣士そのもの。


 リク:「おお、これ絶対俺だったらパリイしちゃうやつだな。けど今日はリリアのターン」


 シフ:「ニャッニャー。(がんばれリリア)」


 バルゴ:「30分――生き残ってみろ!」


 ――そして、試練が始まった。


 剣豪の間に響くは、刃と刃の音。


 リリア:「はっ――!」


 亡霊剣士:「……速い。だが、“隙”がある」


 斬撃をかわし、踏み込み、反撃。

 だが相手は実力ある剣士の霊。いくら斬っても、霊体は霧のように再び立ち上がる。


 亡霊剣士:「技量は十分……だが、“信念”が弱い」


 リリア:「……信念……?」


 瞬間、頭をよぎる――かつての自分。王都で“剣姫”と呼ばれた誇りと重圧。


 それに潰されかけた過去。


 だが、今は違う。リクやシフと旅をして、世界の広さと自由を知った。


 この剣を振るう意味は――過去じゃない。これからだ。


 リリア:「私は、剣姫じゃない。――私は、私の剣を振るう!」


 その声とともに、剣が蒼く輝き出す。


 残り時間わずか。

 だがリリアは、もう“受け”ではなく、“見切り”と“決意”で刃を交えていた。


 やがて、霊気が霧のように消え――静寂が訪れる。


―― 


 バルゴ:「……30分、戦い抜いたな。お前の剣魂、確かに見届けた。“本物”だった」


 リリアは膝をつき、汗と涙が混じる顔で笑う。


 リリア:「これが……新しい私の、一歩……」


 バルゴ:「よし。ならば作ってやろう。お前の魂に応える、真の“一振り”をな!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ