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第20話 再会の森

 それは、静かな森での出来事だった。


 風がざわめき、木々がざわつく。


 森の中心部、“黒蔦の会”の実験所であったところで、そんな事は知る由もないリクとリリアは妙な気配を感じ取っていた。


 リリア:「……リク、なにかいるわ。普通の魔物じゃない」


 俺:「うん、なんか森が暴風につつまれている……」


 ――ガルルル……!


 木々を割って現れたのは、一体の獣。


 白の毛並みに、風をまとったその姿は、かつての「風の精霊猫」シフ……その堕ちた姿だった。


 リリア:「なにあれ……暴走状態!? 完全に理性が飛んでる!」


 俺:「――いや、違う。あれ……シフだ」


 リリア:「えっ?」


 次の瞬間、シフは100mは離れたところから、リクへと向かって風刃を放つ!


 ――しかし。


 「パリイ」


 リクがその一撃を優しく、そして神々しく打ち払うと、その風刃は、怒りでも恐怖でもなく、“苦悶”の色に変わった。


 俺:「……苦しかったのか、シフ。ごめんな」


 リクは恐れることもなく、シフに近づいていく。 


 90m...80m...70m..60m...


 そして、丁度、リクとシフの距離が50mに縮まった時、シフが再び、風刃を放とうとした。


 その瞬間、“ディバイン・パリイ”が、光を帯びて発動した。

 それは単なる防御ではない――呪詛と闇を、打ち払う光の祈り。


 シフが纏っていた風が消え、シフの目に本来の輝きが戻る。


 シフ:「……リ……リ……ク……?」


 リクは静かにシフに近づき、手を差し出した。


 俺:「おかえり、シフ」


 ――シフがその手に、牙を立てることはなかった。


 そして、シフがピッタリとリクに寄り添うと、ふたたび従魔の印が輝いた。


 その光景を、例の如く、木陰から見つめていたのは、ダークエルフのミルナであった。


 ミルナ:(……今のは何? 何かをした様子はなかった……これが、やつの力……? 我らが作り出した最強の魔獣を………)



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