第19話 最強Fランクコンビ
旅の途中、リクとリリアは“風の町アルナス”という中規模な町に立ち寄っていた。
目的は――冒険者ギルド。
俺:「そういえば、リリアって冒険者登録してないよな?」
リリア:「うん。王国の騎士団育ちだったから、民間のギルドには縁がなくてね。せっかくだし、登録しておこうかなって」
俺達は、カウンターへと進む。
ギルド受付嬢:「はい、登録ですね。ではこちらにお名前と……初回登録の方は、一律でFランクからのスタートになります」
リリア:「わかったわ」
――こうして、かの“剣姫”リリア・ガルムドーラ。
その名に震え上がった武門の数、数知れず――だが、ギルド登録初日は「Fランク冒険者」としてスタートすることとなった。
俺:「俺もFランクだし、ちょうどいいな」
リリア:「あなたの場合は、ある意味そのままが正しいというか、なんというか……」
ギルド掲示板に並ぶクエスト一覧。
俺:「おっ、ゴブリンの巣掃討があるぞ」
リリア:「Fランクの依頼にしては厄介な部類ね。やりごたえがあるわ」
受付嬢
受付嬢:「……え? おふたり、まさかこの依頼を?」
俺:「うん、ちょっと運動がてらに」
受付嬢(※Fランク2人でゴブリン巣掃討なんて行ったら、普通は帰ってこないわよ……)
――だが数時間後。
受付嬢:「……た、ただいま戻られたFランクのリクさんとリリアさんが、依頼対象のゴブリン巣を壊滅させました……!?」
ギルド内がざわめいた。
「Fランクなのに、全滅どころか帰ってきた!?」「剣姫って、あのリリア!? 名前似てるけどまさか……」
俺:「いやー、途中で昼寝したけど、リリアが全部やってくれてた」
受付嬢:「……(何この人たち……)」
こうして、ギルド内に伝説が生まれる。
“Fランク最強コンビ”
――剣姫リリアとそのお供リク。
その名は、次第に周辺ギルドにも広まっていくことになる。




