第10話 神授スキル:ディバイン・パリイ
朝、鳥のさえずりで目が覚めた。
カーテンの隙間から差し込む光が、木の天井を照らしている。
ファルベラの宿“風車亭”の二階、ベッドの上で、俺はゆっくりと伸びをした。
俺:「……うーん、昨日のパン、やっぱうまかったな……」
寝ぼけた頭でそんなことをつぶやきながら、階下に降りる。
宿の女将さんが、もう朝食の準備をしていた。
女将:「あら、おはよう。よく眠れた?」
俺:「うん。ベッドふかふかで、気持ちよかった」
女将:「今日は野菜のポトフよ。あんた、パンばっか食べてないで栄養取りなさいね?」
俺:「は~い……」
俺はこの世界に来て、まだそんなに時間は経ってないけど――
美味い飯があって、温かい人がいて、風が気持ちよくて、広い空が好きだった。
危ないこともあるけど、でも、だからこそ一日がちゃんと尊くて。
“今日も無事だった”って思えるだけで、心があったかくなる。
俺:「……なんか、いいよな。この世界」
すると突然、たまたま、リクの様子を見ていた女神様が嬉しさのあまり、金髪を風になびかせ、静かに降臨した――
ルミア:「……まことに、久方ぶり。私の世界を好きになってくれて、ありがとう。」
俺:「あ、どうも」
ルミア:「あなたにはこれからも苦労をかけるでしょうが、よろしくお願いします。」
女神が静かに手を掲げる。
その指先から、ひと筋の光が俺の胸に吸い込まれていく。
俺:「いや、特に苦労はしてないぞ?」
ルミア:「そうですね。いまのままで、これからも生きて下さい。」
俺:「うん、ありがとう。」
リクは、《神授スキル:ディバイン・パリイ》を獲得したとは知らずに、女神と別れた。。
❇️《神授スキル:ディバイン・パリイ》
本人へのあらゆる悪しきものの攻撃を、聖なる意志によって弾き返す能力。(詠唱不要)




