地球から手をつないで
3!
2!
1!
「じゃーんぷ!!」
「わたしたち年越しの瞬間、地球にいなかったよー!!」
きゃははは、と無邪気に笑う友達たちを前に、私は一人、孤独だった。
足が悪い私だけは、地球に取り残されていたから。
けど、羨ましそうな顔なんてしない。
せっかくできたお友達に変な気なんて遣ってほしくないから。
だから元気よく、だけど偽物の無邪気で、私は言った。
「地球へおかえり!地球の平和は守っておいたよー!」
☆ ☆ ☆
~十数年後~
3!
2!
1!
「せーの!」
「たかい、たかーーい!!」
私は旦那と一緒に、愛する我が子を抱き上げた。
きゃっきゃっ、と嬉しそうにする赤子に私は微笑む。
相変わらず、私は地球に取り残されたままだったけど、今度はひとりじゃなかった。
地球からずっと手をつないでいたから。
私はもう大丈夫。だから、どこへでも行っておいで。
「これからも地球の平和は私が守るからねー!」