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プロローグ
好きでした。
爽やかな風に靡く靡その艶やかな髪が、
触ると溶けてしまいそうな純白の肌が、
翡翠に光る玉石のような瞳が、
空気を震わす麗しい鈴の声音が、
暖かいあなたのその鼓動が。
あなたとわたしの形は同じで
だからぴったり触れ合えない。
相対しあって生きていて
でも心はあなたに持っていかれる。
焼け付くようなここらへんの痛みが
あなたを見ると鈍くなる。
吐息さえ惜しくて、
全部取り囲んであげたくなる。
これって、あれ…?
『恋』なのか?
『友情』なのか?
よくわかんないけど、好きです。