ぐぐれ地球
英語 海外 あこがれ。昔と今では外国語を学ぶ環境が激変しているのかな。
海外
子供の時は
異国情緒って
神秘的なあこがれがあったよ
英語とかロシア語とか
仕事でもなんでも
話せる大人は羨望の的だったわけよ
受験制度も相まって
英語はできたほうがお得だったし
謎解きみたいで楽しくて
多少英語には熱中したわよ
背伸びが楽しかったわよ
でも
あるとき
西洋の人と英語でお話し中に
急にむなしくなったのよ
何がむなしいって
日本語は英語などの西洋の言葉と
Yes と No が逆転するシチュエーションがあるってことよ
なんぼ単語を覚えようと
なんぼイディオムが口を突いて出てくるようになろうと
いや話し相手の西洋の人は
何も問題ないよ
私もにこやかに
多少の背伸びと
丁々発止のドライブ感を心にぶち込んで
どうにかこうにか
会話を楽しんでいるテイを演出したわよ
いや楽しめたわよ
やればやるほど会話は上手になるって
前向きな気持ちでその瞬間までやってきたけど
乗れば乗るほど
日本語話者としての
自分の素のリラックスモードが出てきてしまって
Yes と Noの逆転現象を
ふつうにやらかしてしまった
学校の定期試験なら間違えないのにね
定期試験の時は
ヨーイドンで
英語の試験突破ゲームのスイッチが入るから
日本語話者の癖を
その瞬間だけ押し込めているから
自分の素が出る
ふつうの会話
平易な会話の時ほど
Yes と No の逆転現象が
当たり前の日本語話者として
出てしまうことを
なんで今の今まで
咎めていたんだろう
辞書も分厚い紙の辞書をこまめにひくことが
英語など語学上達の秘訣と
信じて疑っていなかったが
パソコンどころか
スマホなる
超絶便利道具が
辞書より近くにあって
知らない言葉を検索すれば
初歩的意味どころか
専門的意味まで
例文添えて
ずらずら出てくる
いや、最初の一行目だけで
十分すぎる情報量
いや
なんだかなあ
ここで電力ブラックアウトしたら
やっぱり紙の辞書が必要になるんだろうけど
何が正しいとか
こうあるべきとか
新幹線の速度で
うしろへ置き去りにして
置き去りにしていることも気づかずに
外国語を必死に覚えて
背伸びに背伸びを重ねてでも
行きたい別世界があった
生きたい未来があった
多分もっと肩の力の抜けた、楽しい現実があるんだろう。昔の英語の勉強が無駄ってわけでもないしね。それがあるから「ググる」だけでなんとかなるという側面も。おばちゃんはこれからお気楽に楽しむけど、これからの人はやっぱ、若いうちに学べるものは学んで世界を楽しんでくださいね。