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ブラック企業からの祝福

作者: くれふじ

 俗にブラック企業と呼ばれる所には、デメリットしかないように思われがちである。


 しかし、しっかりと恩恵もあるんだ。


 それは、1人身でも、寂しくない。


 日々の労働に追われて、考える余裕がない。



 バレンタインだったり、G・Wだったり、夏のイベントなんて関係なく、全てが忙しい。


 もちろん、クリスマスなんて言う、ふんわり甘いイベントなんて、意識になんて昇らない。



 ミニサンタさんを見ると、何故か涙が出る。


 若い女の子が、大胆な格好をしているだけで、何故か心が痛くなる。


 私にはもう30年以上、サンタは来ていない。




 仕事をしているだけで、全てが黒で塗りつぶされて、いつの間にか、26日とかになっている。


 そう、忙し過ぎてイベントを見るだけで泣き啄なる気持ちを忘れられるんだ。




 これを祝福と呼ばなくて、仕事に埋没出来るモノかッ!!!




 とても寂しくなるから、売れ残っているケーキなんて買わない。


 夏のビーチの妄想もしない。


 いつの間にか、チョコレートは嫌いになった。




 もう26日も終わろうとしている。


 同僚は、昨日も一昨日も、死んだ瞳で、パソコンが恋人だったし、充実してたんじゃないかな。


 師走とは良く言ったものだ。



 ビバ・ブラック企業


 イエス・ブラック企業


 アイ・ラヴ・ブラック企業。




 私はどうだって?


 こっちの恋人も、パソコンだったよっ!



 聞かなくてもわかるでしょ…。


 ねぇ、察してよ。




 社長、久しぶりに出勤されて、どうなされたんですか?


 隣の若い女の娘は、何故ミニサンタの格好をしてるんですか?



 私の眼が飢えた獣みたいって…。




 休みがなくなった?


 正気ですか?


 この会社の唯一の誇りが、年末年始のささやかな4連休だったじゃないですかっ。


 年が経つ毎に、夏休みも短くなって、お盆もろくに休めなくなったじゃないですか。


 えっ、大晦日も、元日もないんですか。


 もう実家に帰る準備はしてたんですよ…。


 姪っ子にあげるポチ袋だけが、年に1度の楽しみだったんですよ。



 やっぱり、帰っちゃダメですか?


 年に1度しか会わない私にも、あの娘だけは優しく笑ってくれるんです。



 おっさんが捨てられた子犬みたいな目をするんじゃないって?


 今、どうせ金づるだろっって言った奴、出てこいっ!




 おいっ社長、クリスマスも終わったのに、目の前でイチャつくな。


 俺からのクリスマスプレゼントだって…。


 目の保養になっただろって…。




 喜べよ私、30年ぶりに、サンタさんが来たぜ…。




 やっぱり…。


 ブラック企業なんて、クソ喰らえッ!!!




 読んで下さってありがとうございます。


 クリスマス・イブに思いついたのですが、なんか空しい。


この他にも、全部で10作の「なろうラジオ大賞2」の作品を投げてます。


個人的には、「聖女の年齢制限」 「伝説的に美味しい紅茶」 「なんてたって文学少女なの」 の3つが気に行ってます。



 気になられた方は、是非とも読んでみて下さいね。

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[良い点] せつにゃいっ・゜・(つД`)・゜・ この人に比べたら、私のがましだっ\(^o^)/
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