新人お披露目会 アフター2
「あら、遅かったかしら?」
事務所の扉を開けて1人の女性が現れる。
その女性は整えられた髪型、上品な服装。
物腰も柔らかく誰が見ても大人の女性という感想が出る人物であった。
「時間通りだから間違いないわよ。
いらっしゃい、蝶子ちゃん」
「こんにちわ、里中社長。
今日もダンディで格好いいですわね」
「あらぁ〜嬉しいけど私に営業かけても意味ないわよ」
「あらあら、いつもの癖が出ちゃったわ」
と2人で笑い合う。
その姿は自分が思い描いた大人の世界のやり取りであり、この時に姫花は蝶子に憧れを抱いたのかもしれない。
「みんなにも紹介するわね。
この子が夜野蝶子ちゃん」
「夜野蝶子です、よろしくお願いします。
先輩のユウさんにマオさんですね。
お披露目会では大変お世話になりました」
そう言ってユウとマオに深々と頭を下げる。
「大したことはしてないよ。
それに蝶子さんの方がお姉さんなんだし敬語とかやめてほしいかな」
「妾もせっかく一緒にやっていく仲間なのじゃから距離の感じる話し方よりは普通に話してくれた方がいいのう」
「あら、じゃあ普通に話させてもらうわね。
それで貴方が黒雪姫花ちゃんね。
同期としてこれから仲良くしていきましょう」
蝶子はそう言って手を差し出す。
「は、は、はい!よろしくおねがいしましゅ!」
姫花は田舎出身であり、ここまで洗練された都会の女性というものを見たことが無く緊張の極地にいた。
ガチガチになり言葉を噛みながらも何とか手を握り握手をする。
「あらあら、ガチガチに緊張しちゃってるわ。
ほら、肩の力を抜いて笑顔笑顔!!」
手を離した蝶子は姫花の頬を両手で包むとくにくにとマッサージし始める。
「はわわわわわ」
しかし、逆効果だったのか姫花の顔が茹で蛸のように真っ赤になってしまった。
「あら、私怖かったかしら?」
「ち、違うんです!
蝶子さんは私が思い描いて憧れてた大人のお姉さんって感じで緊張しちゃって・・・でも、仲良くなりたいです」
姫花が勇気を振り絞ってそう言うと蝶子は優しく姫花を抱きしめた。
「ありがとう。
姫花ちゃんみたいな可愛い子大好きだから早く仲良くなりたいわ。
一緒に頑張りましょうね」
「は、はい!
よろしくおねがいします!」
あっという間に2人の世界に入ってしまった彼女たちを周りはニヤニヤとした顔で見ていた。
「あら〜いいものね。
心が浄化されそうだわ」
「良いもの見た!って感じが凄いですよね。
もうこの路線でいけば良いんじゃないですか?」
「いや〜見事に僕たち置いてけぼりだね」
「まぁ、普段の妾たちも似たようなことしているから文句も言えんのう」
マオがそう言うと里中と唯は驚いた顔で2人を見る。
「自覚・・・あったのね」
「無意識にやってると思ってました」
「いや〜流石にこっちに来てから長いし僕らの仲が普通の女友達よりも濃いのは自覚してるよ」
「変なことをしておる訳ではないがの。
それでも距離が近いという自覚はあるのじゃ。
だからといって控えるつもりはないがのう」
二人はそう言ってギュッと手を握る。
「社長、ちょっとコーヒーでも飲みに行きません?
私、今ならブラックでも甘く感じると思うんです」
「奇遇ね。
私も濃い目に入れたブラックコーヒー飲みたくなってたのよ。
私たちはちょっと出掛けるから好きにしてちょうだい」
そう言って事務所を出ていく2人を見て4人は盛大に吹き出した。
2人が帰ってくるまではのんびりと雑談し、またコラボ企画もしようという話をしてこの日は解散したのであった。
最近クロ○ックの切り抜きを沢山見ました。
とても健康になれる動画でしたが私の心臓はショックで止まるんじゃないかと思いました。
あれは全人類が見るべきものだ・・・。