コラボオファー
「貴方達、ちょっといいかしら?」
ある日のこと、2人はマネージャーの唯に呼び出された。
「何かあったの?」
「問題でも起こったのかのう」
「いえ、そうじゃなくてコラボのオファーが来てるからどうかと思って」
唯の言葉に2人は首を傾げる。
今までは知り合いからコラボの話が直接来て唯に報告して許可をもらって配信だったが、直接事務所の方に申し込みがあるというのは初めてだった。
「実は今回のコラボ企画はくじよじではないの。
個人配信者の火車猫さんって知ってる?」
「ああ、知ってる知ってる。
色んな人をゲストに招いてトークしてる人だよね?」
「確かリーブ先生みたいに自分でイラストを描いて中に入っているんじゃったかのう。
しかし、本人は自分の母親が描いて別人という形を取っておったのう。
バレバレなんじゃが、そのお約束でリスナーを楽しませておったのう」
「あら、2人ともちゃんと他の配信者の動画見てるのね。
今回のコラボオファーは火車猫さんからなの。
2人をゲストに招いて雑談したいんだって」
「僕は構わないよ。
色んな人とお喋りしてみたいし」
「妾も大丈夫じゃ」
「話が早くて助かるわ。
それじゃ先方にはOKを出しておくわね」
唯はそういうとパソコンをカタカタと打ち始める。
「あら、もう返事が来てる。
さすが自分でマネージメントしてるだけあってしっかりとしてる人ね。
どれどれっと・・・あら?
ユウちゃん、マオちゃんいいかしら?」
火車猫から届いたメールを見た唯は再び2人を呼んだ。
「唯姉さん、どうしたの?」
「何かトラブルかの?」
「そういう訳じゃないんだけど、火車猫さんがコラボ配信前に挨拶がてら一緒に食事しませんか?
ですって。
時間は・・・自分の仕事の都合で申し訳ないけれど、明後日のお昼とかどうです?
だそうよ。
費用は全部あちら持ちってなってるけど、どうする?」
「特に用事もないから大丈夫だよ」
「ユウちゃんがOKならマオちゃんも」
「当然OKじゃな」
2人の返事を聞いた唯は再びキーボードをカタカタと打ち込む。
「お、やっぱり返事が早い。
当日は事務所前まで迎えにくるそうだから、集合はここでいいみたい。
それじゃ、2人とも明後日は昼前にはここに集合しておいてね」
「りょーかい」
「分かったのじゃ」