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#ホラー系TRPG ドラマパート 13

「あんなカエルの化け物見たくらいで我を失うなんて。

全く……未だに未熟と言われていた理由が分かった気がするわ」


そう言って構えるまゆに対してゆうまが呆れたように声をかけた。


「姉さんが未熟だったらこの世界の殆どの人は生まれてすらいない状態じゃない?」


「心構えの話よ!

とにかくあんたは大船に乗ったつもりで指示を出しなさい。

みんなでここを乗り切るのよ」


「了解!

姉さんはその化け物を何とかして。

オリーはそのまま銃で岡崎教授を攻撃」


「オッケー!

ゆうまを信じるヨ」


そう言って再び発砲した弾は岡崎に三度弾かれる。


「ふはは、無駄だと言うのが分からんかね。

しかし小うるさい蝿はいい加減潰してしまわんとな。

ムーンビーストよ、その実験台には構わずに奥で喚く虫を退治するのだ。

そうすれば残り2人の心も折れる事だろう」


岡崎の指示を受けたムーンビーストは狼を無視してゆうまの方へと向き直る。


そして何処からともなく取り出した槍をゆうまに向けて投擲した。


その槍は狼へ狙ったものと違い正確にゆうまの方へと飛んでいく。


「私がいる限りそう言う事はさせないわ」


そう言ってまゆが槍とゆうまの間に割り込む。


高速で飛んでくる槍の側面を正確に掌底で叩く事にやり槍はあらぬ方向へと外れていく。


「これで終わりじゃないわ」


更にまゆは真っ直ぐムーンビーストへと向かっていき、触手の生えた顔面に強烈なハイキックを叩き込む。


メキメキと音のしそうな一撃はムーンビーストの巨体をスライドさせるほどの威力があり、化け物をふらつかせるのに十分な威力があった。


「さすが我が弟特製の鉄板キック。

遠慮なく蹴れば化け物にも効いちゃうのね」


「いや……多分だけど姉さん以外の蹴りだと鉄板入りシューズでも普通に受け止めると思うよ」


「ふふ〜ん、その通りよね」


そんな余裕の表情を浮かべる双子の様子に岡崎は初めて表情に焦りの色を浮かべた。


「我が偉大なる僕が……あり得ん」


「バット……これはリアルの話ヨ」


そう言って再び発砲するオリー。


四度目も弾は弾かれて結果は同じ……ように見えた。


「だから無駄だと……何だ?」


不意に岡崎の視界が赤く染まる。


慌てて水晶玉に映り込んだ自分の顔を見ると……彼は血の涙を流していた。


「ゆうま……あれって?」


「あの水晶玉は何物も寄せ付けないバリアを発生出来る……でも、その力は無から生み出されている訳じゃない。

あのムーンビーストと同じように持ち主の精神力から生み出されているのさ」


「何!?どう言う事だ!!」


ゆうまの言葉を聞いた岡崎は慌てて月穂の姿を探すがその姿は何処にもなかった。


「後一発も当てれば精神が耐えられずに気絶するはず。

オリー、頼んだよ!」


勢い付いてそう語るゆうま。


そんなゆうまに対してオリーはお手上げという風に手を上げて


「さっきの一発で弾切れネ」


と申し訳なさそうに語るのであった。

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