#ホラー系TRPG回 ドラマパート 11
ゆうま達は岡崎教授の部屋から脱出するとそのまま一階へと駆け上がっていきロビーへと向かう。
とりあえず館から脱出して仕舞えば目的は達成する筈……であった。
「何をそんなに慌てているのかね?」
広間の入り口では岡崎教授とそれに付き従う月穂の姿があった。
「困りますね……主人の所有物を勝手に持ち出されては」
そう言う月穂の瞳は真っ直ぐに狼を見つめていた。
「何が主人の所有物よ!
この狼はオリーの父親なんでしょ。
なら家族に返すのが筋ってものよ」
「なるほど、私の研究記録も読んでしまったのだね。
ならば君達への対処はこれしかあるまい。
月穂君、例のものを」
「あくまでコストは主人頼みですから一匹が限度ですよ」
「子供達相手には一匹で十分だろう」
「分かりました」
月穂はそう言って恭しく礼をすると指をパチンと鳴らした。
すると地面から魔法陣が現れ、その中から白いヒキガエルのような生き物が現れる。
だが、普通のカエルではありえない巨体と、何よりも鼻の先から無数の短いピンク色の触手がその化け物の醜悪さを訴えかけているようであった。
「く、何で気持ち悪い化け物なんだ」
「近寄りたくないでーすね」
冒涜的な姿をした化け物を見たゆうまとオリーに大きなショックは無かった。
だが……
「いやああああああああ!!」
まゆが雄叫びをあげてその場に突っ伏してしまう。
度重なる非常事態に彼女の精神は悲鳴をあげていた。
そして、目の前の醜悪な化け物の登場により遂に限界を超えてしまったのだった。
「姉さん!?」
慌ててゆうまが近寄って肩に手を添える。
しかし、彼女は耳を両手で覆って全てを否定するように震えながらその場に蹲ってしまっていた。
「仕方ないネ……ここまで助けてくれたフレンズを見捨てるなんて出来ませーん。
ダディ……私はまゆ達を守りたいでーす。
力を貸してくれますか?」
「ウオーーーン!!」
オリーの言葉に狼は肯定するように吠える。
「ならアレを使わせてもらいまーす!」
そう言ってオリーはバッグの仕掛けを動かすと中に隠されていたアイテム、拳銃を取り出した。
「ここで仕切っているのは貴方ね!
貴方を止めれば解決するはずでーす!!」
そう言うと岡崎教授に銃口を向け、オリーは躊躇なく発砲した。
私事の話ですが全く未知のジャンルの小説を書き始めました。
TSして美少女になった男の子が元に戻ったと思ったら男と女に分裂していた話です。
幼馴染の男女に挟まれて三角関係になっていた為にこれで無事に解決かと思いきや、自分自身同士なので気が合いすぎて幼馴染の男女2人が好きな相手のTSした人物に負けそうになる……という内容です。
この手のジャンルは殆ど手を出した事がないので上手く書けるか分かりませんがよろしくお願いします。
追伸:明日はホワイトデー特別回を予定しております。
糖分高めかもしれません。




