ホラー系TRPG ドラマパート 10
2023/06/10 誤字修正受け付けました。
いつもありがとうございます。
各々が探索の成果を持ち帰り集合する。
オリーは棚から銀の弾丸と自分が読めない資料を見つけたこと、まゆは檻の中に閉じ込められた人語を解する狼がいたことを告げる。
更に狼と約束したので檻から出してあげたいと言うことも2人に訴えかけたのであった。
その話を聞いたゆうまは頭を悩ませていた。
資料通りならばその狼こそがオリーの父親なのだろう。
だが、そんな事を話して良いものだろうか?
「いたっ!?」
そう悩むゆうまの額をまゆがデコピンした。
「何悩んでるのよ。
1人で悩んでないで言いたい事があるならちゃんと言いなさい」
「で……でも……」
「いいから!
何のために私達がいると思ってるの」
「……分かった。
これから話すことはオリーにとって大変な話になると思うけど慌てずに聞いてほしい」
「……オッケーよ」
そうしてゆうまはその岡崎教授の目的と人体実験の記録を大まかに説明する。
そして、人体実験の犠牲者がオリーの父親で、檻の中に入った狼こそがその人物であると言う事を。
「そ、そんな……その狼がダディだなんて」
そう言って青ざめた顔で檻の中にいる狼の様子を見る。
狼はそんなオリーを見ながら左の前足を上げた。
「あっ……それは私がコミュニケーション取った時に教えた肯定。
つまりはイエスの時のポーズだよ」
「……本当にダディなんだね。
オッケー、生きていてくれただけ感謝するしかないネ。
先ずは助け出さないと」
オリーはそう言うと檻にある施錠された扉の鍵をみる。
「この簡素な鍵なら何とかなりそうネ」
そう言って何かの道具を取り出して鍵をかちゃかちゃと動かすと直ぐに鍵が開く音がした。
開いた扉から狼が飛び出してオリーに甘えるように胸の中に飛び込んでいった。
「ダディ……やっと会えたネ。
先ずはここから脱出するよ」
「そうだね。
とりあえず脱出しようって……ゆうまはさっきから何やってるの?」
「ああ、ちょっと別の資料を。
確かに脱出しないとね」
「うぉん!」
ゆうまが扉に手をかけると、それを静止するように狼が鳴き声を上げる。
慌てて手を引っ込めたゆうまが扉に耳を当てると、通路の方からぐじゅぐしゅという音が聞こえてきた。
「ああ……外にはあいつがいたのか。
ありがとう、助かったよ」
「とりあえずあいつがいなくなるまで待ちたいんだけど……いなくなったかどうかって分かるかな?」
まゆが狼にそう確認すると狼は左前足を上げた。
「頼りになる仲間だね。
流石はオリーのパパさんだ」
「イエース!
自慢のダディネ」
そんな風に話しをしていたら狼が一声あげる。
三人は不思議とそれが化け物がいなくなった合図だと言う事が理解できた。
「よし、じゃあサッサとこんな屋敷から脱出するわよ」