ホラー系TRPG回 ドラマパート 6
「探索するにしても先ずはどこを見てみようか?」
「このフロアからでいいんじゃないデースか」
「というか先ずはこの部屋から調べてみていいんじゃないかな?」
『それだ!』
自分たちの部屋として与えられたので何となくここを出て行って他の場所を探索する気になっていた2人であったが、ゆうまの一言でハッと気がつく。
貸し与えられたこの部屋も探索するべき場所だった事に気が付いた3人はバラバラに部屋を物色し始めた。
「うーん、何も無い見たい」
まゆが探している場所には何も無かったのだが、ゆうまとオリーは其々の場所で手がかりとなりそうな物を見つけた。
「これ、アクセサリーっぽいのが落ちてたんだけど」
「これは……ダディのドッグタグデース」
「ドッグタグって兵士の認識票ってやつ?」
「そうデース。
それに私の方でもこれを見つけました」
そう言ってオリーが取り出したのは薬莢と呼ばれる物であった。
「これは間違いなくオリーのお父さんはここに来ているって事だね。
それに薬莢が落ちてるって事は発砲する事態になったって事かな?」
「ダディ……」
「こら、ゆうま!
少しはデリカシーを持ちなさい。
きっとオリーのお父さんは無事だから探し出しましょう」
「……そうね。
ダディは殺しても死ぬような人じゃないから絶対に見つけてみせるヨ!」
こうして2階を探索する3人だったのだが、2階は基本的に客室ばかりであり他の部屋には何もない。
「他の部屋には何も無いわね」
「後はこの中央の大きな部屋だけかな」
「中は食堂みたいデース」
2階の中央には広い部屋があり、そこは食堂になっていた。
その部屋を探索するとカーテンで隠された後ろ側に隣の部屋に通じる扉を見つける。
扉の先にはワインをはじめとする飲み物類が多数置いてあり、ここから客人をもてなすドリンクを運んでいるのが分かる。
「あれ……これってなにかしら?」
ドリンク置き場の端の方に小さな扉を見つける。
中には1、2、B1と記されたボタンがあった。
「これは食事を運ぶためのエレベーターかな?
調理場が一階にあるって話だからここから運んでるんだよ」
「それだとおかしくないデスか?
これ地下までありマスよ」
「そういえば……説明されてないけど地下なんてありそうな雰囲気じゃ無かったわね」
「中に入って押してみる?」
「それは最後の手段じゃないかしら?
普通に地下に行く階段があるかもしれないから探して無ければ使ってみましょう」