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噂は聞くけど見たことがない

「紙の漫画が読みたい!!」


マオがサムネ作成の作業中、そのベッドに寝転がってスマホを弄っていたユウが突然起き上がって叫ぶ。


「急にどうしたというのじゃ?

漫画ならスマホで読んでおったのじゃろう」


「そのスマホで読むのが物足りなくなってきちゃった。

折角だから単行本でキチンと読みたいかなって」


「うーむ……しかし、買うと嵩張るからのう。

一年以上もこの家に住んでおるから物も増えたしのう」


辺りを見回すと配信用の機材にマイクなど様々である。


それに加えてゲーム機材やら何やらと置かれているのでかなり狭く感じていた。


ユウとマオは掃除が嫌いではないので片付けはしてはいるのだが、それでも増えていく物に対して部屋の大きさは変わらないのだから仕方ない事だと言える。


「こっちに来た時は着の身着のままだったのにね。

この世界が豊かだからついつい買っちゃうのも悪いんだろうけど」


「向こうでは物に溢れる生活など考えられんかったからのう。

もうそろそろ引っ越しも視野に入れるべきなのかもしれんのう」


「それはそれで労力かかりそうだけどね。

ま、それはそれとして紙の本読みに行こうよ」


「古本屋にでも行くのかえ?」


「この間行ったスパに漫画いっぱい置いてあったじゃん。

あそこに行こうよ」


「ああ、あそこなら駅から送迎のバスも出ているので悪くないのう。

ずっとモニターに向かっておって身体も凝り固まっておったところじゃから行くとするかのう」


2人はそう言って出かける準備を始める。


今日はいつものようなオシャレな服ではなく身体全体を覆い隠すコートを着る事にしたようだ。


「向こうで脱いじゃうし、施設内は専用の部屋着あるからね。

めかしこむ必要は無いよね」


「中はラフな格好でええじゃろ」


「……こういうのって中に何も着てないおじさんがバッて開いていくイメージ」


「漫画やゲームにはそのような輩がおるが本当にいるのかのう?

そもそも見せて何が楽しいのじゃ?」


「いや、僕に言われても分かるわけないじゃん。

そう言えばライバーの誰かが昔そういう被害にあったって言ってたような……誰だったかな?」


「やはりそのような不埒な輩は実在するのじゃな」


「そうみたい。

だげどその人はどうしたらいいか分からずにペコリと会釈をして歩いて行っちゃったって……あ、思いだした!

八起子だよ、被害にあったの」


「ああ、何となくそういう被害に遭いそうじゃ。

しかし、裸体を見せつけたら何も反応せずにお辞儀だけして去られるのも虚しい気がするのう」


「確かに。

そう言えば逆のパターンってのは聞かないかな?」


「探せばおるのかもしれんが……それはもう巫女先輩の好きなゲームの中の話であろうよ」


「あはは〜それもそうだね」


こうして人に聞かせられないような話題に変わりながら、2人は仲良くスパに向かって行ったのであった。

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